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2024年11月15日金曜日

土曜夜の歌声サロンラウム~ 10月26日のご報告~ 神田陽子

  前回の開催がイレギュラーの第3土曜日だったため、1週間後のこの日にも土曜歌声はレギュラー開催されました。 


 ファーストソングには「月光仮面は誰でしょう」を選んで賑やかにスタート🌝  風呂敷をなびかせて月光仮面になり切っていた、ドンピシャ世代の皆さんの歌声が響き渡りました。いつの時代も悪漢をやっつけるヒーローは、子供たちの永遠の憧れですね。

 リクエスト1曲目は、これもアニメヒーローの第一人者『鉄腕アトム』の同名テーマソング「鉄腕アトム」
  作詞は日本を代表する詩人の谷川俊太郎氏で、後に作詞秘話として、手塚治虫氏直々に電話で作詞を依頼されたことを話されています。 アニメと共に主題歌も大ヒットしたので、さぞかし印税もたっぷり入ったのでは? との質問に、著作権を50万円で虫プロに譲渡した顛末も明かされています。 
 『科学の子』アトムは、心優しき人型ロボットでした。 AI時代の到来と言われる現代ですが、アトムの様なロボットたちと共存してゆければ未来は明るいかも知れません。

 「赤いハンカチ」 1962年発売の石原裕次郎のヒット曲で、2年後には同じく裕次郎主演で同名映画も公開されています。 当時の大スター『裕ちゃん』の魅力的な歌声はその後も数々のヒット曲を生みます。 『ラウムのUジロー』Mr.Mのリードで。

 「小さい秋みつけた」 作詞 サトウハチロー、作曲 中田喜直による童謡で、秋の定番曲となっています。 サトウハチロー氏の自宅の庭のはぜの木が紅葉する情景から生まれた、と言われていますが、そのはぜの木は後楽園駅近くの礫線公園(れきせんこうえん)に移植されたそうです🍂

 『ワールドシリーズを観ていたので…』と出された曲は「栄冠は君に輝く」 この日の試合は私も観ていましたが、ドジャースのフリーマン選手が逆転サヨナラ満塁ホームランを放つと云う劇的な終わり方をしたのでした⚾️

 「いい日旅立ち」 ようやく訪れた秋の日々🍁 この歌に促されて何処かへ旅に出かけたくなりますね。

 「小さな木の実」 この曲は一年を通して人気がありますが、やはり秋に歌うのが一番しっくりきますね🌰  ビゼー作曲の「美しいパースの娘」が原曲ですが、日本語の歌詞は、作詞の海野洋司が自分の息子の誕生時に作った『草原の秋』を書き直したものだそうです。

 「野菊」 綺麗なメロディに可愛らしい歌詞が映える、優しい曲調の唱歌です。 野菊は野に咲く菊の総称なので具体的な名は分かりませんが、『うすむらさきよ』とあるので、『野紺菊』か『ヨメナ』ではないかと言われています。

 「元気を出して」 335歌集の歌で竹内まりやの作詞 作曲です。 元は薬師丸ひろ子に提供された曲でしたが、後に竹内まりやもセルフカヴァーしており、その際バックコーラスに薬師丸が参加しています。 『おつかれ生です』のアサヒビールのCMでも流れています。
 なかなか歌うのに苦労するのですが、リクエスト者の男性がほぼ完璧にリードしてくださいました。

 「長崎の鐘」  毎年8月の原爆忌が近付くと必ず歌う曲ですが、原爆の悲劇を忘れないためにもしばしば歌う必要を感じます。 原爆の投下によって焦土…と言うより廃墟となった故郷の上には変わらず青空が広がっている。 それを『悲しと思うせつなさよ』と歌うこの歌は、最初短調で始まり例えようもない虚しさに襲われますが、『なぐさめ はげまし』と歌うところから長調に変わり、未来への希望とあくなき平和の希求を感じさせてくれます。
 
 お次のリクエストは、たぶん初お目見えの「UFO」 1977年リリースのピンク・レディーの6枚目のシングルで、彼女たちの最大のヒット曲になりました。 作曲の都倉俊一が、初めてシンセサイザーを使って製作した楽曲でもあるそうです。 特徴的なイントロで始まる、どこかミステリアスなムードの曲です。 初めてにもかかわらず、皆さんよくご存知でした🛸

 裕次郎シリーズ第二弾で「夜霧よ今夜もありがとう」 秘密の逢瀬を隠してくれる『夜霧』を擬人化して感謝している曲ですが、発想の奇抜さを感じさせない何ともロマンティックで甘い雰囲気の王道の歌謡曲でしょう。 再び『ラウムのUジロー』の出番ですが、男性陣は全員裕次郎になり切って歌われていたような? その歌声に女性陣はうっとり…とはならず、こちらも負けずと歌っていたのでした♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪

 「学生時代」 この曲は、かつてホテルなどで開かれる歌声イベントでは必ずリクエストされる人気曲でした。 久しぶりに歌ってみると改めて素敵な曲だと思いますね。 お一人お一人がそれぞれの学生時代を思い出しながら歌っていらしたのでは?

 「私の愛した街」 この曲はこのサロンで覚えた方も多いでしょう(私もその1人です)
 北アイルランドの『血の日曜日事件』と呼ばれる虐殺事件を題材にした曲ですが、日本人の横井久美子さんが歌詞を付けています。 歌詞の『デリー』は『ロンドンデリー』のことで、優しい曲調の中に強い抵抗の気持ちが込められています。 原曲「 The Town I Loved
So Well」を聴いてみましたが、カントリー調の美しいメロディが切なく、悲しみが心に沁み入ります。

 「もしもピアノが弾けたなら」 先頃亡くなられた西田敏行さんの名曲です。 
 彼が長年局長を務めていた『探偵ナイトスクープ』で、先日追悼番組を放送していました。 素直に泣いたり笑ったりして、依頼者の気持ちに寄り添う西田さんのお人柄がよく分かる番組でした。 
 俳優としてはもちろん超一流。アドリブの天才とも言われています。 本当にチャーミングな方でしたので、たくさんの人から慕われ、その死を悲しんでいる人もまた多いのでしょう。 これからしばらくはこの歌を歌う時は悲しくなってしまいそうです(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

 ここで前半終了です。 お菓子を頂きながら、しばしの歓談タイム。

 後半は「ガンダーラ」を紹介曲に選んでリスタート。 1978年放送の『西遊記』 女優の夏目雅子さんが美しい三蔵法師を演じましたが、お付きの1人猪八戒は西田敏行さんでした。 
 この曲は番組のエンディング・テーマとして使用されましたが、歌っていたのはゴダイゴで、作曲も担当したタケカワユキヒデがボーカルを務めていました。 サビは英語の歌詞ですし言葉が乗せにくい箇所もあり、少々クセのある曲かもしれません。 けれど、ゆったりとした曲調は心を落ち着かせる効果もありそうです。 『ガンダーラ』とは、現在のパキスタン北西部に存在した古代王国のことで、1世紀から5世紀には仏教の興隆と共に繁栄しました。

 リクエストは「シベリア大地の歌」 1947年のロシア映画『シベリア物語』の主題歌で、おそらくお初リクエストだったと思いますが、リクエスト者とMr.Mのリードで歌いました。
 映画は、第二次世界大戦末期、ロシアによるベルリン攻撃の様子も描かれていますが、ピアニストとソプラノ歌手の恋物語です。 「バイカル湖のほとり」は、この映画の挿入歌です。

 「この広い野原いっぱい」 「故郷の廃家」 「旅人よ」 「川の流れのように」 「熱き心に」 度々リクエストされる人気の5曲を続けて歌いました。 
「故郷の廃家」は、曲ヘイスとのみ記されていますが、アメリカのソングライター William Shakespeare Haysの作詞 作曲によるもので、原曲は「My Dear Old Sunny Home」 彼は、『Shakespeare 』と云うミドルネームが気恥ずかしかったらしく、ほとんど使わなかったそうです。 確かに偉大過ぎる劇作家と同じミドルネームは、荷が重いかも知れませんね。

 「一杯のコーヒーから」 1939年(昭和14年)発売の流行歌で、作詞 藤浦洸、作曲 服部良一の、当時としては珍しいジャズ調のモダンな曲です。 歌唱は霧島昇とミス・コロンビア。 『コーヒー』と言わず『コーヒ』と歌わせるところもお洒落です。 因みにこの当時のコーヒーは1杯15銭だったそうですが、ちょっとピンときませんね?☕️

 「虫の声」 1910年(明治43年)に『尋常小学読本唱歌』に掲載されたのが初出。 2番の『こおろぎや』は最初『きりぎりす』とあって、この『きりぎりす』は『こおろぎ』の古語で、現在のキリギリスとは違うものです。
 余談ですが、私の亡き父はキリギリスが大好きで、夏になると必ず近所の草むらで捕まえては、その声を楽しんでいたものです。 父がピアノやアコーディオンを引き出すと、キリギリスも一緒に鳴いていました。 ある時など、越冬させたキリギリスと共に新聞に載せてもらったことも。 余談ついでに、今年妹の家でもキリギリスを飼っていたのですが、天に召される少し前の写真が送られてきました。 そこにはキリギリスと小さなバッタが並んで何か食べています。 実はこの小バッタ、キリギリスの生き餌として虫かごに入れられたのですが、いつの間にか仲良く(?)暮らしていたそうで… (笑) 虫の声にまつわる面白エピソードでした🦗

  「雨の物語」 イルカのソロ歌手としての6枚目のシングルで、1977年にリリースされています。 作詞 作曲は、イルカ最大のヒット曲「なごり雪」と同じ伊勢正三で、正やんテイストの素敵な曲です。 
 2番の歌詞『ぼくの部屋のドアに 書かれていたはずさ “とても悲しい物語” だと』は、失恋を予感しながら始まった恋物語の様に思えますが、果たして雨の日に『物語の終り』はやってきたのですね☔️ 

 「エメラルドの伝説」 ザ・テンプターズの3枚目のシングルで、1968年のリリース。 グループ・サウンズの中でも、ザ・タイガースと人気を二分するほどの存在で、特にボーカルのショーケンこと萩原健一の甘いハスキーボイスは女性の心を捕らえていたようです。
 元々ブルース・ロックの流れのグループで、切なく悲しげな曲調の楽曲が多く、この「エメラルドの伝説」も、いきなり『湖に 君は身を投げた』と、センセーショナルな歌詞で始まります。

 「しあわせの歌」 これも私はお初曲でしたが、リクエスト者のリードで歌いました。
 1955年、電気産業労働組合が新組合歌として公募したのが、この歌の生まれたきっかけですが、その後多くの人に愛唱され、雑誌『平凡』『明星』にも掲載されたそうです。 映画『浮草日記』の中で労働者たちが歌っているシーンがありますし、フランキー堺&左幸子主演映画『しあわせは俺いらのねがい』にもなりました。 労働者たちの未来への希望と平和を願う歌です。

 最後のリクエストは「希望」 当サロンでもよく歌われますが、岸洋子の代表作です。
彼女の低音ボイスで歌われるこの歌は、寂しさと希望が同時に感じられる曲調です。

 ラストソングにMr.Mが選んだ曲は「テネシーワルツ」 英語と日本語で歌ってお開きとなりました。
 
 再三お知らせしていますが、11月はイレギュラー開催で、次回は第3土曜日、16日の午前10時から12時までの予定です。初の午前開催です。
 次々回は第5土曜日、30日の17時15分からです。(ややこしや〜。) 申し訳ありませんがお間違え無きようよろしくお願い致します🙇‍♀️

 今週末はお天気崩れそうです。 気温はそれほど低くなさそうですが、おかしな天候で体調もおかしくなりがちです。 心のリフレッシュに『歌声の秋』を満喫しにいらして下さい。

                                  神田陽子