2021年10月4日月曜日
土曜夜の歌声サロンラウム~報告~ 神田陽子

 ずいぶん久しぶりのブログ更新になります。

 すったもんだの末に開催された東京オリンピックパラリンピックが終わって早2ヶ月近く過ぎ、コロナ禍でこもっていた内に気付けば暦は10月です。


 925日におよそ2ヶ月ぶりに土曜歌声を開催しました。 感染対策は万全を期す事はもちろんですが、感染者の減少傾向とワクチンの接種状況を鑑みての開催に、常連の皆さまが集まって下さいました。


 秋の歌をと195歌集の「虫の声」で始めました。 様々な虫の声がそれぞれピッタリな擬音で歌われるこの曲、歌っている内に童心に戻る気がします。


 リクエスト1曲目は、同じく195から「喝采」 ちあきなおみさんの不世出の名曲です。

「里の秋」「時代」と525歌集から頂き、 お次は335歌集から「夢をあきらめないで」 

今の状況を打ち破る応援歌のようです。 「希望」をリクエスト者自ら歌って下さり、これも本当に心に響く曲です。


 「アメリカンフィーリング」「恋心」と続き、335から「22才の別れ」がリクエストされました。 これを歌っていたのは男性デュオの「風」です。つい先日メンバーの大久保一久さんが逝去され、残された伊勢正三さんのお気持ちはいかばかりかと察せられます。


 休憩の後、これも秋の定番曲「ちいさい秋みつけた」でリスタート。 サトウハチローの詩と中田喜直のメロディが素晴らしくマッチングした一曲です。


 リクエストは、テレサテンの「別れの予感」 優しい曲調で「つぐない」「時の流れに身をまかせ」をしのぐ人気曲となりつつあります。 


 お次は「旅人よ」 先ごろ脳疾患で療養されるも見事に復活された加山雄三さんの代表曲のひとつです。

  

 「初恋」は、村下孝蔵さんの名曲ですが、リクエスト者に「初恋はいつですか?」と尋ねたところ「中学時代です。両思いになりました。」と正直に話され、皆さんにっこりでした

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 お次は「酒と泪と男と女」 河島英五さんが渋い声で弾き語りされた名曲です。 

ここでふと気付きました。 大久保一久さんの訃報もありましたが、テレサテン、村下孝蔵、そして河島英五。 期せずして夭折の歌手の歌が続いていることに。「歌い手は亡くなっても、その歌はずっと歌い継がれていく」 それは歌手冥利に尽きるのではないでしょうか?


 「マイウェイ」「別れの朝」と、外国ルーツの曲が続いたお次の曲は「東京の人」 いつもはロシア民謡、シャンソン、タンゴのイメージのリクエスト者自ら、このムード歌謡を歌って下さいました。

 

 アニメソング「鉄腕アトム」を元気よく、「夢一夜」をしっとりと、気持ちをコロコロ切り替えて歌うのもなかなか楽しいものです。


 お次は久しぶりのシャンソン曲「サントワマミー」 誰もが知っているこの曲ですが、私を含め意味を知っている人は少ないのでは?  そう思いフランス語に精通されているお客様にお聞きしたところ、即座に「あなたがいなければ」と云う意味だと、教えて下さいました。


 「手紙~拝啓十五の君へ~」「Time goes by 」は335歌集の比較的新しい曲で、けっこう歌うのが難しい2曲です。 

  

 「愛の讃歌」は、リクエスト者とピアニストがドラマティックに盛り上げてくれました。

 

 「秋桜」はさだまさしが作り、山口百恵が歌った、嫁ぐ娘とその母の切ない曲。 秋の桜と書いて「コスモス」と読ませたのは、さだまさしのこの歌からだそうです。


 「赤胴鈴之助の歌」 私はアニメでかろうじて知っていましたが、初期はラジオドラマだったそうです。吉永小百合さんも出演していた、とはリクエスト者からの情報です。


 「シクラメンのかほり」でお開きとしました。久しぶりの土曜歌声でしたが、次回からは娘がピアニストに復帰するため、今日までお手伝い頂いた国枝さんに拍手で感謝をお伝えしました。


 私ごとですが、この夏父を亡くしました。 突然のことに未だ信じられない気持ちです。

母に先立たれ父は80歳から独り暮らしでした。 多趣味で磯釣り、ゴルフなどのアウトドアスポーツも好きでしたが、歳を取ってからはもっぱら音楽一辺倒でした。若い頃からギター、スチールギターを弾いていましたが、晩年はアコーディオン一筋で、孫娘のピアノと合奏するのを楽しみにしており、2人でコンサートを開いたこともあります。 故亀谷先生とも、自宅で競演させて頂きました。

 最期まで自立していた父ですが、それを支えていたのは音楽だったと思います。 「音楽と会話ができる」などとカッコ良いことも言っていましたが、長生きをした分、沢山いた友人知人が次々と亡くなってゆくのは寂しい限りだったでしょう。 けれど90歳を過ぎてから音楽を通じて新しい友達ができ、亡くなる2ヶ月前までその方のギターと演奏活動をしていたのにはびっくりでした。 倒れる直前まで朝食の用意をしていたらしく、テーブルの上にはご飯、焼き魚、お味噌汁がきちんと作ってあり、最期まで誰にも頼らず94歳の美学を貫いた様に思えます。

 「人生100年」と言われて嫌でも長生きできる時代ですが、やはり心身の健康あっての長生きです。 この歌声サロンで出会い、共に歌えることが長生きの秘訣の一つになれば、との思いから、父のことに絡めて書かせて頂きました。


 次回は109日、1715分からです。 娘ピアニストが復帰しますので、是非ご参加頂けたら幸いです。


 コロナ対策は進んでおりますが、「with コロナ」での生活。 あくまでも油断せず、皆さまご自愛ください。

        

                       神田陽子



 
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