2024年1月25日木曜日
土曜夜の歌声サロンラウム~ 1月13日のご報告~ 神田陽子

  1月13日、今年の土曜歌声始動です。
 元日の能登半島地震の報を受け、その後の被災者の苦難を思うと、のんびり歌っていることへの負い目のようなものを感じることもあります。 その上で歌えることの幸せを、よりいっそうの感謝の気持ちで噛みしめたいと思います。
 「毎年ラウムの歌い初めはこの歌で」と、創設者池辺御大よりのお達しで「一月一日(いちげついちじつ)」で開始です🎍  1893年発表の文部省唱歌ですが、作詞の千家尊福は出雲大社の第80代出雲国造で、出雲大社神楽殿の東側には「一月一日」の歌碑が建っています。

 今年初のリクエストは、かぐや姫「神田川」 昭和40年〜50年代の学生下宿の様子と、当時流行りの同棲がテーマですが、「三畳一間の小さな下宿」なんて歌詞は、もはや隔世の感と言ったところですね。 昭和は遠くなりにけりです。

 「雨の物語」 イルカのヒット曲ですが、作詞 作曲は「なごり雪」の伊勢正三。 化粧する女の背中を見ている男。窓の外は雨。 今しも別れようとしている男女の情景が浮かんでくる1曲です。

 「踊り子」 この歌をこよなく愛されているお客様より。 歌い初めはもちろんこの歌で。納得のリクエストです。

 「ラ・スパニョーラ」 「スペイン娘」と云う意味ですが、スペインの歌ではなくてイタリアのカンツォーネです。 イタリア映画「美女の中の美女」の主題歌で、絶世の美女ジーナ・ロロブリジーダが劇中で歌いました。 日本では「蝶々夫人」で有名な三浦環が歌っています。 三浦環ばりのソプラノの持ち主からのリクエストでした。

 「東京ブギウギ」 1番の歌詞しか無いのでツーコーラス歌いました。 朝ドラ「ブギウギ」でのこの歌のお披露目が待ち遠しいですね。 

 「さびしいカシの木」 作詞のやなせたかし氏は「アンパンマン」の作者として有名ですが、自身の生い立ちもあり、「人間の存在は本来『さびしい』ものなのである」と云う人生観を持っているようです。 「さびしいことに なれてしまった」と云う歌詞は寂寥感にあふれていますが、孤独でも自然体で生きている姿が感じられます。

 「どうにかなるさ」 ムッシュかまやつのヒット曲ですが、力の抜けた飄々とした歌詞が、日本版「Que Sera, Sera」といったところでしょうか?

 「冬景色」 このような唱歌を歌えることが、歌声サロンの大きな魅力のひとつです。
この曲は作詞 作曲共に不詳ですが、冬の情景を表した歌詞は秀逸で、4分の3拍子のゆったりとした旋律も素晴らしいです。

 「新雪」 灰田勝彦氏の歌唱で昭和17年発表の曲です。 詩もメロディも綺麗で、ゆったりと流れる様な曲調だと思いましたが、Mr.Mより「元気なタンゴのリズムの曲だ」と教えてもらい、聴いてみたら確かにリズミカルに歌われています。 戦時中なので軍歌調に近いものだったのでしょうか? でもゆったりと歌ってもまた違った感じで「素敵やん」^_−☆

「喝采」 「亜麻色の髪の乙女」 「シーハイルの歌」 「若葉」 ジャンルも曲調も様々な4曲を続けて歌いました。

 お次は今日初めていらしたお客様でした。 昔よく歌声喫茶に通われたそうで、ラウムはネット検索でヒット。 たまたま名古屋で本日開催の土曜歌声を発見。 私にお電話あり、来て下さった次第でした。 ご縁ですね♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪ リクエストは「時計」 おそらく土曜歌声ではお初曲です。 
 シャンソンとして知られていますが、メキシコの作曲家兼歌手のロベルト・カントラルが作った曲です。 多くの歌手がカバーしていて、ロス・パンチョス、グラシェラ・スサーナ、菅原洋一、江利チエミ、倍賞美津子(「時計をとめて」名でカバー)等が歌っています。

 スタッフリクエスト「白い恋人たち」を歌って前半終了。

 昨年からたくさんのアーティストの訃報が続いていましたが、先日またひとり早過ぎる逝去を知りました。 八代亜紀さんです。 歌うことを享受させてもらっている歌声サロンでは、アーティストの訃報に際してはできるだけその方の曲を歌って追悼して来ました。
けれど八代亜紀さんの楽曲は歌集に入っていません。 「舟唄」「雨の慕情」と言った大ヒット曲がありますが、演歌の女王の名を欲しいままにして来た彼女が近年ジャズも歌っていたことを知りました。 動画で見つけた彼女の「Fly Me to the Moon」が素晴らしかったので、それを歌って追悼することに。 
 英語の歌詞のみですが、3拍子のバラードの後、スイングのリズムでツーコーラス歌いました。

 リクエストは「人生いろいろ」 「鈴を転がす様な声」の持ち主島倉千代子さんの1987年発表の曲ですが、「オレたちひょうきん族」の「ひょうきんベストテン」で山田邦子が、またほかの番組ではものまねタレントのコロッケが、それぞれこの歌をものまねで歌ったこともヒットの一助となりました。 それまでとはガラッと変わった歌い方に戸惑ったファンも多かったようですが、本人は本曲を「第2のデビュー曲」と大切にしていたそうです。

 「PRIDE」 久しぶりのリクエストでしたが、今井美樹の大ヒット曲で、ドラマ「ドク」の主題歌です。 作詞 作曲は夫の布袋寅泰氏で、編曲及びギター演奏でも参加していますが、激しいロック歌手の彼が手掛けたとは思えないほど、優しく美しい曲に仕上がっています。

 「琵琶湖周航の歌」 第三高等学校(三高。現京都大学)ボート部から生まれた歌ですが、その誕生はなかなか複雑です。 三高の寮歌、学生歌として広まりますが、戦後に多くの歌手によって歌われました。 その中で1971年の加藤登紀子バージョンのレコードは70万枚の大ヒットとなりました。  リクエスト者もおっしゃっていましたが、作詞の小口太郎と作曲の吉田千秋は、共に二十代で早世し、互いに面識はないままだったそうです。

 「母」 いつまでも我が子を待っている切ない五七調の歌詞を書いたのは、たおやかな美人画で有名な竹久夢二。 古き良き時代の母を歌っていますが、子を思う母の気持ちは現代も変わるはずは無く、短い歌詞の中に込められた想いが胸を打ちます。 格調高い旋律を書いたのは小松耕輔。 日本初のオペラ「羽衣」を作曲したことでも有名な音楽家です。

 「カタリ・カタリ」 前日に高年大学で開催された「懐かしの歌のおくりもの」でも歌われたので、その余韻からリクエストされたとのことでした。

 「ラヴ・イズ・オーヴァー」  台湾出身の歌手、欧陽菲菲のバラードですが、それまでの彼女はアップテンポの曲を多く歌っていたので、大人の魅力を存分に発揮した曲となりました。 作詞 作曲の伊藤薫氏は彼女のことを「洋楽的なパワーと邦楽の叙情を同時に表現できる不思議な魅力がある」と評して、この歌のヒットは彼女の「声」にあるとも言っています。 洗練された洋楽のムードと、どこか演歌の雰囲気もあるクロスオーバーされた曲だと言えるでしょう。

 「シャンテ」 「今日の日はさようなら」 「エーデルワイス」 「雪の降る町を」「空に星があるように」の5曲を歌いましたが、どの曲もゆったりとした曲調で、歌詞とメロディを深く味わえました(@⌒ー⌒@)
 「恋心」 原曲はエンリコ・マシアスによる1964年のシャンソンで、タンゴのリズムで情熱的に歌われます。   越路吹雪、岸洋子、菅原洋一などが日本語の歌詞でも歌っています。
 「バイカル湖のほとり」 本日初めてのロシア民謡でした。 どのロシア民謡にも言えますが、ハードな内容の歌詞を美しい旋律で歌うので、悲しみの中にいっぺんの安らぎを覚えます。
 「花〜すべての人の心に花を〜」 沖縄県出身の音楽家、平和運動家、政治家である喜納昌吉氏の代表曲です。 
 歌詞の「泣きなさい 笑いなさい」と云うフレーズは、1964年の東京オリンピック閉会式で、各国の選手たちが入り乱れ、肩を組み、踊る者、笑う者、泣いている者、、、人種の壁を越えた人々の姿に、実況のアナウンサーが発した「泣いています………笑っています」と云う言葉に感銘を受けたことから生まれたそうです。
 国内外の数多くの歌手にカバーされていますが、石嶺聡子さんが映画「ひめゆりの塔」の主題歌として歌ったものが広く知られています。

 Mr.Mの選んだラストソング「悲しき天使」を歌ってお開きに。 この曲は「ラーラララララ ラーラララララ」とリフレインが続くのでエンディングが盛り上がりました。

 次回は1月27日です。 これを書いている日は全国的に今季一番の寒気が襲い、名古屋でも初雪を見ました⛄️   暖冬だと言われていても、天候はしょせん自然の為されるがまま。 天気予報も近頃では予報士泣かせのようです。 
 インフルエンザ、風邪等の予防のためにも暖かい服装でいらして下さい。

神田陽子



 
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