2024年1月11日木曜日
土曜夜の歌声サロンラウム~ 12月23日のご報告~ 神田陽子

   新しい年が明けて10日も過ぎてしまいました。 

 新年早々の地震災害、航空機事故の惨状に言葉もありません。 やっとコロナ禍の縛りも解けて希望に満ちた年明けになるはずだったのに、、、
 ありふれた日常を当たり前と思わず、日々感謝しながら一生懸命生きていくのが、残った者の務めだと戒めたいと思います。

 遅ればせながら、去る12月23日の昨年最後の土曜歌声の模様をお伝えします。

 この日はクリスマスイブイブ🎄 思いもよらぬたくさんのお客様で賑わいました( ◠‿◠ )ファーストソングには「サンタが街にやってくる」を選び、明るくスタート。

 リクエスト1曲目は「赤鼻のトナカイ」 この歌を皮切りにたくさんのクリスマスソングがリクエストされました🤶

 「ラストダンスは私に」  原題は「Save the Last Dance for Me」 1960年リリースのアメリカの楽曲です。 作詞者のドク・ポーマスは小児麻痺の影響で身体が不自由でしたが、松葉杖をついて女性に手を貸してもらいながらも踊れるから、どうぞラストダンスだけは自分と踊って欲しいと云う思いを込めて詩を書いたそうです。
 日本では越路吹雪さんが岩谷時子さんの歌詞でヒットさせています。

 「クリスマス・イブ」 お久しぶりのお客様からのリクエストでしたが、毎年必ず歌われるクリスマスの定番曲です。 1988年にJR東海がクリスマス・エクスプレスCMに用いて、そのストーリーと相まって大ヒットしました。 本楽曲はバロックに多い「クリシェ」と云うコード進行を使っているため、間奏にはパッフェルベルの「カノン」を入れロマンティックなムードを高めています。

 「さよならはダンスの後に」 先日の覚王山出張歌声にもご参加下さった岐阜からのお客様のリクエスト。この日も来て下さいました。 この曲は1965年発売の倍賞千恵子さんのシングル曲。 ダブルミリオンに達する勢いの大ヒット曲でしたが、後年アニメ「美少女戦士セーラームーン」の主題歌「ムーンライト伝説」が、この曲に酷似していると問題になったそうです。 そい言われてみれば似てるかも? 

 「喝采」 こちらもお久しぶりのお客様からリクエスト。 歌唱のちあきなおみさんの実体験と言われていますが、事実は微妙に違っている様です。 中村泰士氏は、ポップスでは珍しい「ヨナ抜き音階」でこの曲を作曲したことを「会心の出来」と自負していたそうです。

 「雪の降る町を」 誰もがよく知っている雪の歌です。 初出は1951年のラジオドラマ「えり子とともに」の挿入歌だったそうです。 高英男さん、立川澄登さんといったクラシックの歌手によって歌われましたが、後に作曲者中田喜直氏自ら、女性合唱、混声合唱に編曲しています。

 「荒野のはてに」 讃美歌ですが、クリスマス・キャロルとしてもこの時期よく歌われます。 フランス語の原詩「グロリア インエクセルシスデオ」の部分がそのまま歌われていますが、「いと高き処 神に栄光あれ」と云う意味だそうです。 
 「グローリア」のところは超ロングトーンなので、私は何度か息継ぎをしてしまいますが、ひと息で歌っている方もいらっしゃるのでしょうか?(苦)

 「北風小僧の寒太郎」 これもこの季節よく出ますが、Mr.Mの「かんたろー」掛け声もテッパンで(#^.^#)

 「青春の影」 この年2回目参加の私の元同期から。 この曲が大のお気に入りです。 ちょうど私たちが高校生の時の曲なので、青春の思い出とリンクするのかも知れません。
 この歌詞はなかなか解釈が難しく、どう云う情景を歌っているのかしばしば問われますが、財津和夫本人によると、「二人の関係が「恋」から「愛」に変わった。ただそれだけ」「単純に、主人公である男の成長の歌」「ただの女、ただの男」になることが「確かな幸せにつながる」と言いたかったそうで、平凡な幸せこそが最高であると説いた純愛の歌みたいです。

 「あわてんぼうのサンタクロース」🎅 何となく外国の曲の様ですが、小林亜星氏作曲の純和製クリスマスソングです。 実際は5番まであるので、ストーリーが気になる方のために、参考までに4番と5番の歌詞を載せておきます。
  
  あわてんぼうのサンタクロース
  もいちど来るよと 帰ってく
  さよならシャラランラン
  さよならシャラランラン
  タンブリン鳴らして消えた
  シャラランラン シャラランラン
  シャラランラン

  あわてんぼうのサンタクロース
  ゆかいなおひげのおじいさん
  リンリンリンチャチャチャ
  ドンドンドンシャラランラン
  わすれちゃだめだよおもちゃ
  シャララリンチャチャチャ
  ドンシャララン

 「We wish you a merry Christmas 」 195歌集に入っていますが英語の歌詞のみのクリスマスキャロルです。 「figgy pudding」とは「イチジク入りプディングのことです。」とリクエスト者自ら説明して下さいました。 日本語で「おめでとうクリスマス」と歌われていますが、少しメロディにのせにくいように感じます。

 「もろ人こぞりて」 クリスマス讃美歌と呼ばれていますが、英語での表記は「Joy to the World」「民みな喜べ」と訳されますが、「諸人挙りて」の方が敬虔な気持ちにさせてくれますね。

 「White Christmas 」 数あるクリスマスソングの中でも、最も有名だと言っても良いのではないでしょうか? 1940年頃に作られたと言われていますが、ビング・クロスビーが映画「スイング・ホテル」で歌ったことから火がつき、現在まで世界中で歌われるクリスマスのスタンダードソングになりました。

 「白い想い出」 これはクリスマスの歌ではありませんが、「ホワイトクリスマス」とは雪つながりでタイムリーなリクエストでした。 優しい曲調の歌で、この歌にぴったりなソフトボイスのリクエスト者にリードして頂きました。

 「マルセリーノの歌」 1955年制作のスペイン映画「汚れなき悪戯」の主題歌です。
 525歌集の歌詞は「めざめよマルセリーノ」で始まりますが、「おはようマルセリーノ」で始まるバージョンもあり、私はこちらで知っていました。  この日のリクエストにもあった高英男さんのシングル「雪の降る町を」のB面には、この「マルセリーノの歌」が収められています。

 ここで前半終了です。
 クリスマス前のお楽しみに、お客様からと私からもお菓子の差し入れを。 皆さんで頂きました🧁

 後半は、この季節恒例のピアニストによるクリスマスソングのソロ演奏で再開です🎹

 ピアニストに曲の説明をしてもらいました。 曰く「坂本龍一さんの『戦場のメリークリスマス』を弾きます。 これまでも弾いたことはありますが、それは坂本さん本人の編曲ではなく、誰か他の人たちのアレンジでした。 坂本さん本人が自身の病気のことも思われたのか、オリジナルの楽譜を遺されていました。今回その楽譜が手に入りましたのでそれを弾きたいと思いますが、音が多くとても難しかったです。 今までよく聴かれているものとは違うと思いますが聴いて下さい。」

 聴き慣れたメロディから始まりましたが、やはりよく知られているアレンジとは違う旋律、曲調に次第に惹き込まれてゆき、部屋全体が坂本ワールドに席巻されていくようでした。 「平和」と「戦争」への坂本龍一氏の強い想いが伝わってくるような演奏が終わった時、一瞬しんと時が止まった様な感じでした。
 次の瞬間拍手が起こりしばらく続きました。 短歌会館での演奏でこんな事はあまりないので、ピアニスト渾身の演奏が皆さんの心に響いていたなら幸いです。
 
 リクエストは「銀色の道」 ラウムではとても人気のある曲で、一年を通してよくリクエストされます。 1966年リリースですが、ザ・ピーナッツとダークダックスとの競作でした。  北海道の廃線になったレール跡の水たまりに、月の光が映っている様子を歌ったものだと言われていますが、歌詞には強いメッセージ性も感じられます。

 「赤い花 白い花」 可愛らしい歌詞とメロディのこの歌は、作詞の中林三恵さんが高校時代に口ずさんでいたものが大学の合唱祭で発表され、その後うたごえ運動で広がり、フォークグループ「赤い鳥」に届いた経緯があるそうです。 この赤い花と白い花は何の花なのか、歌いながらいつも不思議に思いますが、それぞれの心に浮かぶ花を思いながら歌うのが良いのでしょうね🌺

 「喜びの歌」 ベートーヴェンの「第九」の第4楽章として有名なこの曲は、日本では年末の風物詩になっています。 高らかに歌い上げていると活力が湧いてくるような気がします٩(^‿^)۶
 
 「ともだち」 この曲は「西多賀ベッドスクール」と云う福祉施設の子どもたちの要望から生まれた曲だそうです。 作詞の永六輔氏、作曲のいずみたく氏、歌唱の坂本九さんの協力のもと、全国の福祉施設で愛唱されるようになっています。

 「無縁坂」 さだまさしの母を想う名曲です。この詩に出てくるお母さんは、苦労があっても耐えて、ため息はつくけれども後ろは見ないと云う、一昔前の母親像ですが、優しさと芯の強さが感じられます。

 「ここに幸あり」 高度成長期の結婚式では定番で歌われたようです。歌唱の大津美子さんは、豊橋市の出身で、豊橋ふるさと大使も務め、今も市民に愛されている方です。

 「果てもなき荒野原」 しばしばリクエストされるロシア民謡で、ゆったりとした曲調が心地良い1曲です。

 「スキー」 よく知られている童謡唱歌です。  軽快なテンポで楽しく歌いました⛷️

 「熱き心に」 小林旭124枚目のシングルとして1985年にリリースされましたが、作曲はシティポップスの旗手大瀧詠一氏。 小林旭の大ファンを公言していた縁でこの曲を書き下ろしたそうです。 高音域が続く難しい曲ですが、シティナイズされた洒落た曲を、小林節で見事に歌い上げています。 味の素ゼネラルフーヅ(現 味の素AGF)の「マキシム」のCMソングに採用されています☕️

 「桃色吐息」 コンサートチケット入手が最も困難な歌手の1人、髙橋真梨子の1984年のヒット曲。 地中海をイメージさせる大人のムード漂う楽曲で、三貴「カメリアダイアモンド」のCMソングとして広く知られ、彼女の代表曲のひとつになっています。

 「ウクライナの人たちに、早く平和が訪れることを祈って歌います」とリクエストされたのは「ひまわり」 
 同名の映画では、ラストで延々と続くひまわり畑が印象的ですが、これが撮影されたのは今まさに戦争の惨禍に苦しめられているウクライナなのです。 リクエスト者と想いを同じくして、この美しい曲を歌いました🌻🌻🌻

 「聖夜(きよしこの夜)」 クリスマスソングの中でも、子どもから大人まで一番よく歌われる曲ではないでしょうか? 日本語と英語、どちらも素敵な歌詞ですね♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪

 「昴」 「谷村新司さんを悼んで」とリクエスト者自らリードして頂きました。 歌う度に惜しい方を亡くしたとの想いが強くなります。 決して忘れないためにも、これからも谷村さんの楽曲を歌い続けていきたいと思います。

 「もうひとつのスキーね」と出されたのは、195歌集の「スキーの歌」 この曲も軽快にスキーで滑ってゆく様を歌っていますが、最後に「コーダ」の部分があり曲にアクセントを加えています。 
 「コーダ」とは、楽曲において、本来の主要部分に対して付け加えられた集結部分のことで、この曲の1番で言えば最後に繰り返した「風は叫ぶ」の部分です。

 「あの鐘を鳴らすのはあなた」 335歌集では人気の曲ですが、久しぶりのリクエストでした。 作詞の阿久悠氏は、「人生」を語り口に、「時代」と「孤独」をテーマにこの歌詞を書いたと語っていますが、自他共に認める和田アキ子さんの代表曲となりました。 
 静かに歌い出し、徐々に盛り上がっていく曲調ですが、作曲は「青春時代」の森田公一氏です。 最後に鐘の音が響くのは、ピアニストのオリジナルですね🔔

 Mr.Mの「ジングルベル」でクリスマスソングの歌い納めです。 
 そのままラストソングもお願いしていたのですが、「『オー シャンゼリゼ』か『幸せを売る男』で迷ってる〜」とのこと。
 それならばと、多数決で決めることに。 挙手にて「オー シャンゼリゼ」が圧勝。
 今年の最後の曲は「オー シャンゼリゼ」 何度もリフレインして、最高潮に盛り上がったところでお開きになりました。

 1年間のお礼を申し上げ、「良いお年を」と言い合って再会を待ち望むことになりました。
 その再会の日は1月13日です。 もう目前に迫っています。 是非歌い初めにいらして下さい。
         
神田陽子



 
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