2024年9月23日月曜日
土曜夜の歌声サロンラウム~ 9月14日のご報告~ 神田陽子

  秋の気配がどこにも感じられない猛暑日のこの日、多くのお客様で土曜歌声は賑わいました。

 秋を先取りとの思いで、童謡「里の秋」をファーストソングに選びました。 この曲は昭和20年の12月にラジオ番組『外地引揚同胞激励の午後』の中で、川田正子の新曲として放送された物で、後に同じくラジオ番組『復員だより』の曲として使われました。 時代背景は今とは大きく違いますが、家族を思う風情がしみじみと感じられる曲です🍁

 さて、リクエストタイムに入りましたが、今日は『335歌集特集』と言って良いほど、335からのリクエストがこの後続々と出されたのでした( ◠‿◠ )

 1曲目は、井上陽水の名曲「心もよう」 出だし『さびしさのつれづれに 手紙を書いています あなたに』とありますが、近頃はもっぱらSNSのメッセージばかりで、割と筆マメだった私もめっきり手紙を書くことが少なくなっています。 
 瞬時に返信が来る今と違って、文通が流行った昔、往復書簡の楽しみを存分に味わった身としては、返事を待つ間のワクワク感と返事が来た時の嬉しさを思い出します。 『ペンパル』なんて言葉、今じゃ死語ですかね? 

 「夢の途中(セーラー服と機関銃)」 今ではすっかり良いお母さん役が板に付いた薬師丸ひろ子さんが、可愛いアイドル時代に同名の映画の主題歌として歌いました。 機関銃をぶっ放した後に呟く『か・い・か・ん』が話題になりましたが、今ではあり得ない設定の演出でしたね😅

 「花と小父さん」 可愛いらしい歌詞と穏やかなメロディのこの曲は、『ラウムの小父さん』のMr.Mのリードで。

 「未来へ」 Kiroroの母を歌った曲です。 心配してくれる母に素直になれない、思春期の複雑な気持ちが歌われていますが、やはり『母の愛』は未来永劫変わらぬものだと感じさせてくれます。 (おや、どこからか美しいハーモニーが聴こえてきますよ🎵)

 「いのちの歌」  土曜歌声はお久しぶりの『angel voice』の持ち主からのリクエスト。
 朝ドラ『だんだん』の劇中歌で、主演の茉奈 佳奈が歌いました。 作詞のMiyabiは竹内まりやさんで、本人もセルフカバーしており、茉奈 佳奈がコーラスで参加しています。
 永遠のテーマ『命』の尊さを謳うと共に、生きていくことの意味を問い、巡り逢いや育ててもらえたことへの感謝も綴られています。『命』が継がれていくことに大きな感動を覚える歌です。

 「TOMORROW 」 岡本真夜の大ヒット曲をリクエストしてくれたのは、我らがハモリ姫。 およそ半年ぶりのWelcome backです♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪ もうすでに素敵なハーモニーを披露してくれていますが、皆さんの大きな拍手で迎えられました。
 
 335歌集の「異邦人」「よろしく哀愁」に続いてリクエストされたのは、「いのちの名前」 スタジオジブリの映画『千と千尋の神隠し』のテーマソングで、主題歌「いつも何度でも」と共に木村弓が歌いました。 
 美しい旋律は、映画全体の音楽を担当した久石譲氏によるもの。 土曜歌声ではお初リクエストかも知れませんが、私は勉強不足でよくご存知のお客様たちとピアニストに助けられて歌いました。  

 「コーヒーショップで」  1973年に発売されたあべ静江のデビュー曲で、当時の彼女のキャッチ・フレーズは『フリージアの香り』 透き通る歌声が爽やかな美少女でした。 
前回の歌声では、太田裕美の「赤いハイヒール」を出されたリクエスト者の『アイドル・シリーズ』 続きそうでしょうか?٩( ᐛ )و

 「時計」 前回もリクエストされましたが、「時計をとめて」のタイトルでもうたわれている、原曲はスペイン語の「El Reloj(時計)」です。  日本人も多くカバーしていますが、アルゼンチン人歌手 グラシェラ・スサーナが日本語で歌ったバージョンが素敵です。

 「中央フリーウェイ」 ユーミンこと荒井由実の軽快なテンポの曲ですが、ハイ・ファイ・セットでもヒットしました。 ピアニストによると、とても洒落たコード進行らしく、そのせいでしょうか? 『中央 フリーウェイ』の音が取りにくい気がします(^_^;)

 「村の娘」 これも明るくはずむようなテンポのイタリア民謡です。フォークダンスの曲としても使われるそうですが、とても楽しい気分になれる1曲です。

 「真っ赤な秋」 秋の定番曲です🍂  作曲は、歌曲「落葉松」を初め、多くの歌曲、合唱曲、校歌を作った大作曲家の小林秀雄氏。 彼の数少ない童謡の1つですが、覚えやすく幼き日の郷愁を誘う楽曲です。

 「インシャラー」 当サロンでも人気曲ですが、久しぶりのリクエストでした。ピアノの伴奏と男性陣の声量が、迫力のある歌に仕上がっています。

 前半最後のリクエスト者は土曜歌声お初の女性のお客様ですが、今回はリクエストはされずに、美しいお声で歌うことに専念されました。 私の長年のお友達かつ人生の師と仰ぐお方ですが、歌声のイベントにはこれまでも何度かご参加頂いているのでシステムは熟知されています。 

 ここで前半終了。 ピアニストから先日のコンサートお礼、ハモリ姫のお土産、そのハモリ姫から最年少の座を奪い取った(笑)女性客からの差し入れを頂きました。

 後半はいきなりリクエストでリスタート。 今日は千客万来。 延長も必至の予感😅

 「どうにかなるさ」 ムッシュかまやつこと、かまやつひろしのシングルですが、ザ・スパイダース在籍中に発表されたそうです。 
 何とも力の抜けた自然体のこの曲ですが、元々はザ・タイガースの岸部修三・岸部シローの兄弟ユニット、サリー&シローへの提供曲だったそうです。

 「ローレライ」  音楽の時間に習って誰もが知っているこの曲。 原曲は「ローレライ=ラインの調べ」で、作曲は「ラデツキー行進曲」で有名なヨハン・シュトラウス1世です。
『ローレライ』とは、ドイツのライン川流域の町ザンクト・ゴアールスハウゼン近くにある岩山のことですが、同時に同名の精霊伝承のことでもあり、ローレライ像も岩山の前ライン川の中洲に建っています。
 ハイネの詩でも有名で、日本語で歌われているのは、近藤朔風の見事な文語長の訳詩のものです。

 「白いブランコ」 フォークソング・デュオユニット、ビリー・バンバンの1969年リリースのヒット曲です。
 菅原孝と進の兄弟デュオの2人組と思われていますが、当初は進と友人の中野光雄(後のタレントせんだみつお)がトリオを組んでいたようです。 後に兄弟デュオとして活躍していくのですが、近年は2人とも病との闘いもあり、辛い時期を乗り越えて歌い続けています。
 ソフトな歌声の2人が織りなすハーモニーは、心に優しく染み渡ります。

 「ロマンス」 1975年リリースの岩崎宏美2枚目のシングルで、作詞 阿久悠、作曲 筒美京平のヒットメーカーによるこの曲は、岩崎宏美の抜群の歌唱力でまたたく間にヒット街道を爆進しました。 最終的にはミリオンセラーに迫る売り上げを記録したそうです。 
 ちょうどこれを書いている時に、NHKの『のど自慢』にゲストで岩崎さんが出ていましたが、変わらぬ歌唱力で素晴らしい歌声を披露されていました。

 「はるかな友に」 早稲田大学グリークラブのOBの磯部 俶の作詞 作曲のこの楽曲は、最初無伴奏の男声合唱版がまず作られて、後に様々な形態に編曲されたそうです。 
 NHK『みんなのうた』では、それまでも歌っていたボニー・ジャックスの歌唱で広く愛唱されるようになりました。

 「青いリンゴ」  1971年の野口五郎のヒット曲ですが、この歌はとにかく音域が広いので、なかなか歌うのに難儀な曲です。 先ほどリクエストされた「ロマンス」の岩崎宏美と同時期に活躍していた野口五郎。 この曲の作曲も筒美京平です🍏

 「空も飛べるはず」 スピッツの人気曲で、1996年のドラマ『白線流し』で起用されて人気急上昇。 自身初のオリコン1位を獲得して「ロビンソン」以来のミリオンセラーを記録しました。 この年の第8回『ザ・テレビジョン・ドラマアカデミー賞』主題歌賞を受賞しています。

 「さよならをするために」  1972年の日本テレビドラマ『3丁目4番地』の主題歌として発売されたビリー・バンバンのシングル曲で、ドラマで主演を務めた石坂浩二が作詞を担っています。 切ない歌詞が哀愁を感じさせる旋律に良く合って心に残る1曲です。 
 前作ドラマ『2丁目3番地』でも共演した浅丘ルリ子と石坂浩二は、本作放送時にはすでに結婚していました。

 「美しい十代」 1963年リリースの三田明のデビューシングルで、彼の代表作でもあります。 この世代ドンピシャのお客様の多い土曜歌声では大人気曲で、一際大きな声が響きわたりました♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪

 「冬が来る前に」  フォークグループ『赤い鳥』が解散後、そのメンバーだった平山泰代と後藤悦治郎の夫妻が『紙風船』を結成してシングル・リリースしました。 フォルクローレの雰囲気を持つ曲調でヒットしました。 これも音域が広いのでピアニストが移調してくれましたが、男性のリクエスト者には低過ぎたようで、今後のキィ設定に課題が残りました。

 「聖母(マドンナ)たちのララバイ」  原題は「聖母の子守歌」で、1981年の2時間ドラマ『火曜サスペンス劇場』の初代エンディングテーマでした。 厳しい現実社会を『戦場』にたとえ、傷ついて戻る男たちを聖母のごとく温かく迎え、包み込んで眠らせる…男性にとっては永遠の理想のような女性像が描かれていますが、『ララバイ(子守歌)』にしては力強い曲調です。

 「道化師のソネット」  さだまさし主演の『翔べイカロスの翼』の主題歌で、もちろん本人が歌っています。  この映画は、キグレサーカスに入団した元写真家志望の青年栗原徹さんが、ピエロとして子供たちに夢を与えようと努力しながらも、水戸市での興行中に転落死してしまった実話をもとにしています。 さだまさしはこの栗原さんの役を引き受けながら劇中音楽も担い、最後に主人公の青年が死去するシーンで主題歌が流れる…そんな過程の中、さだは即興でサビの『笑ってよ 君のために〜』と云う歌詞とメロディを同時に思いついて、そこから曲を書き上げたそうです。
 『ソネット』は英詩の形式の1つで『十四行詩』とも呼ばれていますが、さだまさしは「道化師のソネット」と云うタイトルを付けた後で詩の行数を数えたら、偶然14行になっていたそうで、『神様っているのかも?』と後に語っています。 歌詞、メロディ共にさだまさしの楽曲の中でも五指に入る名曲ではないでしょうか?

 「無縁坂」 これもさだまさしの人気曲ですが、『母』がテーマの曲です。 少し古風な耐え忍ぶ母を描いていますが、いつの時代も『母』と云う存在は偉大だなぁと思わせる歌です。
 
 「惜別の歌」 リクエスト最後に相応しいこの曲。 確か前回もこの曲が最後でした。 リクエスト者も同じで、最近はこの曲の気分でいらっしゃるのでしょうね。 別れの時の哀切を極めたムードが漂います。

 秋を待ち望みながら「もみじ」を歌ってお開きとしました。 今日はユニゾンで歌いましたが、この歌は輪唱で歌うと趣がある1曲なので、また練習したいと思います。

 多くの曲がリクエストされましたが、この日は6割以上が335歌集からのものでした。 
この土曜歌声は335歌集の誕生と共に始まり、新しい歌集の歌を広めると云う趣旨もありましたが、525歌集 195歌集の素晴らしい歌の数々に加えて、335歌集の曲にも馴染んで頂けて嬉しい限りです。 今後もおよそ1000曲の歌をより多く楽しんで歌っていきたいと思っています。

次回は9月28日。少しは秋らしくなっているでしょうか?🍂  急激な気温の変化に身体が付いていけるか不安ですが、体調を整えて『秋の歌』を歌いにいらしてください。

神田陽子



 
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