3月に入って初めての土曜歌声。 この日も春の気配のかけらも感じられない寒い日でした。 それでも参加して下さった皆さんの歌声は寒さも吹き飛ばす勢いでした♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪
世は卒業シーズン。 テレビの歌番組でも『卒業』『別れ』『春』をテーマにした曲の特集が組まれる頃です。
この季節に必ず歌いたくなる195歌集の「旅立ちの日に」をファーストソングに選び、卒業ムードに浸りながら歌いました。
とある中学の校長先生が荒れた校内を慮り、『歌声の響く学校』を目指して作詞、それに音楽の先生が曲を書いて作られた曲ですが、温かく希望に満ちた言葉で溢れた歌詞と、郷愁を感じさせる優しいメロディが荒んだ生徒達の心を和らげ、やがて全国の卒業式で歌われるようになったそうです。 合唱で歌われるのも感動をより大きくして、聴いていても歌っていても胸にジーンと沁みます。
リクエストは「どこかで春が」 この歌は1923年(大正12年)に、『小学男生』と云う子ども向けの雑誌に百田宗治の詩が発表されて、後に草川信によって曲が付けられたそうです。 『春の訪れ』を何気ない自然の変化の中に見つけて、それを喜んでいる様子がよく解ります。 『山の三月 東風(こち)吹いて…』のメロディが曲のアクセントになっていて素敵です。
「花は咲く」 この日から数日後の『3月11日』は東日本大震災の発生日です。 決して忘れてはならない震災の悲惨さ、戒め、悲しみ、無念さ… この歌の歌詞にはいろんな想いが詰まっています。 その想いを大切に、決して忘れないでこの復興応援ソングを歌っていかなければと改めて痛感しました。
『生きもの地球紀行』のメインテーマ「Believe 」 この日お初参加の女性客から「あの素晴らしい愛をもう一度」 北海道の春の訪れを歌った、ダ・カーポの「宗谷岬」の3曲を歌いました。 どの曲も度々リクエストされる人気曲ですが、どれも歌っていると明るい気持ちになれるものばかりです。
「月光仮面は誰でしょう」 リクエスト者から、この曲の作曲者 小川寛興氏についてや、その頃のヒーロー物の解説を頂きましたが、同世代の皆さんのうなずきが多く見える中、やや歳下の私と、この日来てくれた私の同級生は『ちょっとわからないなぁ〜』と首を傾げておりました(謝)
土曜歌声のお客様は歌に詳しい方が多いので、その博識ぶりを披露して頂けると勉強になり本当にありがたいです。 (こうやってブログのネタにもできますし… 笑)
蘊蓄(うんちく)大歓迎ですので、これからも大いにご披露お願い致します🙇♀️
「希望」 この曲も本当によくリクエストされる人気曲です。1970年(昭和45年)にリリースされた岸洋子の大ヒット曲で、日本レコード大賞の『歌唱賞』も受賞しています。(1964年「夜明けのうた」の受賞以来2度目)
元々は倍賞千恵子のミュージカルのために作られた曲だそうですが、長尺のためレコード化はされず、1969年にフォー・セインツがテンポを上げてレコーディングしてオリコンチャート26位に入っています。
ゆったりと歌詞を噛みしめる様に歌い出し、徐々に盛り上がっていく曲調は心の奥に重く響き、最後の転調でまた気持ちも高揚していく曲です。
「さよならはダンスの後に」 倍賞千恵子の1965年のシングルで、作曲者は「月光仮面は誰でしょう」で話題になっていた小川寛興。 彼はこの曲で日本レコード大賞作曲賞を受賞しています。 この歌をモチーフに松竹によって同名の歌謡映画も作られています。
後年アニメ『美少女戦士セーラームーン』のテーマソング「ムーンライト伝説」との酷似が問題になり、楽曲制作の当事者である長戸大幸は、「ムーンライト伝説」は「さよならはダンスの後に」を模して作曲されたことを証言しています。 著作権使用料の一部を小川寛興に分配することで和解しているそうですが、確かにこの2曲、聴いてみると良く似ています。
「空も飛べるはず」 スピッツの人気曲ですが、これも卒業シーズンによくリクエストされます。 ドラマ『白線流し』の主題歌だったことがその理由でしょう。 ドラマの中で、卒業式当日に、卒業生たちが学帽の白線とセーラー服のスカーフを一本に結びつけ川に流すシーンがありますが、これは岐阜県立斐太高等学校での卒業イベントに倣ったものです。
歌詞は難解で、『卒業』や『青春』をテーマにはしていないのですが、このドラマの卒業シーンから『卒業』のイメージが付いてしまったようです。
「哀しみのソレアード」 Mr.Mからの紹介曲で、『Soleado』とはスペイン語で『日だまり、日当たりの良い場所』と云う意味です。 この曲は『哀しいことから、暖かい陽の射す場所へ向かう』と云う前向きな歌なのでしょう。
元はイタリアの音楽グループ『ダニエル・センタクルツ・アンサンブル』が、1974年に発表したインストゥルメンタルの楽曲で、さらにその原曲は14世紀にまで遡ると言われていますが定かではありません。
美しいメロディに世界中で多くの歌詞が付けられ歌われて来ました。 日本語の歌詞もいろんな作詞家が書いていますが、525歌集のものはアン・あんどうさんと云う訳詞家によって書かれた『愛』と『別れ』を切なく表現した歌詞です。 この方は、日本訳詞家協会の理事もされていましたが、残念ながら2020年に76歳で亡くなられています。
途中のセリフは、いつもセリフ付きの歌でMr.Mに無茶ブリをする私に逆指名(^_^;) ロマンティックな詩なのでふざける訳にもいかず、ここはどシリアスに語りました( ◠‿◠ )
私からもう一曲、「Fly Me to the Moon 」を紹介して前半終了です。 メロディは良く知られていますし、英語のみの歌詞ですがシンプルな英文なので歌い易いと思い、2つのバージョンでツーコーラス歌いました。
後半のスタートは、レミオロメンの「3月9日」を選びました。 テレビドラマ『1リットルの涙』の挿入歌で、合唱曲にもなって卒業シーズンによく歌われます。 前回訃報をお伝えした故Kさんのお気に入り曲で、この曲をリクエストされた時居合わせた池辺御大は、『こんな若者の曲をご存知とは』と驚いたものでした。 言葉の乗せ方の難しい曲ですが、オリジナルではロックバージョンより、弦楽四重奏がバックのカルテットバージョンがお勧めです。
リクエストは「春一番」 キャンディーズのヒットナンバーを元気に歌いました。 軽快な曲調のこの曲は、元々アルバム『年下の男の子』に収録されていたものをシングルカットしたそうです。
泣いてばかりいた自分を鼓舞して、春の訪れと共に積極的に彼を誘って、『恋をしてみませんか?』と。女の子の可愛い恋心が芽生えそうな感じです❤️
因みに『春一番』とは、気象学的には『春になって最初に吹く強い南風』とされていますが、気象庁がこう定義し、発表するようになったのは、この曲のヒットが大きな要因になっているそうです。
「星の界(よ)」 原曲は、アメリカ人作曲家 コンヴァースの作曲した賛美歌「What A Friend We Have in Jesus」で、日本語では「いつくしみ深き」のタイトルで結婚式などでよく歌われます。
525歌集の歌詞は、1910年(明治43年)に『教科統合中等唱歌』に発表された文部省唱歌で、作詞は 杉谷代水(すぎたにだいすい)と云う詩人、劇作家、翻訳家です。
リクエスト者の『他の歌詞のものもあるようですが…』のお言葉に、帰りがけに他のお客様からその歌詞を教えて頂きました。
「星の界(よ)」の歌詞が子どもには難解とのことで、川路柳虹が作詞したものが次の歌詞です。 確かに解り易く、タイトルも「星の世界」となっています。
かがやく夜空の 星の光よ
まばたく数多(あまた)の 遠い世界よ
ふけゆく秋の夜 すみわたる空
のぞめば不思議な 星の世界よ
きらめく光は 玉か黄金か
宇宙の広さを しみじみ思う
やさしい光に まばたく星座
のぞめば不思議な 星の世界よ
「黒の舟唄」 これも珍しいリクエストでした。 『火垂るの墓』の直木賞作家 野坂昭如の歌った「マリリン・モンロー・ノーリターン」と云う曲のB面曲で、後にはこの曲の方が評価されるようになります。 確かに奇妙奇天烈な「マリリン…」よりも、まだ理解できそうですが、退廃的でデカダンスの雰囲気を醸し出しています。
尚、作詞は野坂昭如自身と思われていますが、実際は能吉利人(のうきりひと)で、これは作曲の桜井順の変名とのことです。 つまり作詞 作曲は同一人物なのです。
森山直太朗の「さくら」 渡辺真知子の「迷い道」 いずれも335歌集のシンガー・ソングライターの曲を続けて歌いました。
「さくら」は『桜ソング』の季節の先取りでしたが、この先リクエストされることが多くなるでしょう🌸🌸
「迷い道」は、ユニークなイントロとリズムが特徴的な1曲です。
「誰(たれ)か故郷を想わざる」 作詞 西条八十、作曲 古賀政男、歌唱 霧島昇で、1940年に日本コロンビアから発売されました。
当初、『故郷を想わない人はいない』と云う意味の反語が、難解すぎてヒットしないだろうと判断されて、慰問用レコードとして全て戦地に送られてしまったみたいです。 ところが戦地の兵士たちの望郷の念をかきたてて大ヒット。内地に逆輸入されると云うおかしな事態になったそうです。
その後、慰問に訪れた歌手がこの歌を歌うと、兵士たちは皆階級の別なく大号泣だったとのことです。
「旅人よ」 一年を通して人気の高い曲です。 『作曲の弾厚作は加山雄三さんのペンネームですよね。 團伊玖磨と…』と言い淀んでいると、すかさずどなたかが、『山田耕筰!』と教えて下さいました。 そう、この2人の偉大な作曲家からもらった名前ですね。
この曲は単なる旅をする人を歌っているだけでなく、人生という長い旅にも当てはまる歌詞になっていて、加山雄三本人が『岩谷時子さんの歌詞は本当に深い。』と語っているように、歌っているといろいろな想いが去来するような1曲です。
「星に願いを」 ディズニーの数ある名曲の中でも、これを1番に選ぶ人は多いでしょう。
それほど有名で美しい曲なので、誰の心にも感動をもたらす曲だと思います✨✨
1940年公開の、ディズニー・アニメーション映画『ピノキオ』のために制作され、原題は「When You Wish Upon a Star」で、歌集に英語の歌詞も載っているので、日本語 英語の順で歌いました。
「小さな世界」 ディズニーつながりでリクエストされましたが、この曲は原題「It’s a small world 」で、世界各地のディズニーパークにある同名のアトラクションのテーマソングです。 明るく軽快な曲調で演奏されますが、当初はスローバラード風の編曲だったものを、ウォルト・ディズニーの希望で、陽気でアップテンポのアレンジに変えたそうで、この曲はウォルト・ディズニーの一番のお気に入りと言われています。
スタッフからの紹介曲として、Mr.Mより「TOP OF THE WORLD」 私から「大きな古時計」 Mr.Mから「エーデル・ワイス」の3曲を続けて歌いました。
ラストソングは「仰げば尊し」 昔の卒業式には必ず歌った定番曲です。 今この歌を歌って卒業する高校生はかなり少ないようです。 歌詞の言葉も難しく、今の時代にそぐわないと云う考えもあるのでしょうが…
この歌を歌ったかつての高校生たちは、歌集も見ずに高らかに歌い上げ、オリジナルのアレンジで盛り上げたピアニストも感激したようです。
恥ずかしながら私はこの歌をずっと日本固有の曲だと思っていましたが、原曲はアメリカの「Song For The Close of School 」で、これが日本に伝わって、1884年(明治17年)に「仰げば尊し」として発表され、その後卒業式で広く歌われて親しまれてきたそうです。
とても良い曲だと感じるのは私だけでは無いと思いますが…どうでしょう?
次回は3月22日。 天気予報によると暖かくなるようです (๑>◡<๑) このところ毎回大寒波襲来の日の開催だったので、やっとお天気に恵まれた思いです。
ただ、気温差による体調不良の方もいらっしゃるようなので、ご無理の無い範囲でご参加下さい。 でもやはり、春の気配を感じられるとハッピーな気持ちになりますね٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
よりハッピーになるために歌いにいらして下さいね♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪
神田陽子