2025年8月22日金曜日
土曜夜の歌声サロンラウム~ 8月9日のご報告~ 神田陽子

  40℃に近い『危険な暑さ』と毎日のように聞かされていると、気温が30℃の前半だと何だか安心している自分がいます。 これって感覚がおかしくなっているのでしょうか?

 
 さてそんな猛暑の中、およそ1ヶ月ぶりに開かれた土曜歌声はたくさんのお客様に来て頂き、皆さんのお元気なご様子を嬉しく拝見しました(≧∇≦)

 この日『8月9日』は長崎の原爆忌です。 80年前のこの日も暑い日だったのでしょう。突然日常を奪われた人たちの無念さは計り知れません。 私は高校の修学旅行で長崎を訪れ、原爆資料館、一本柱鳥居、平和祈念像を見てきました。 資料館で見た惨状には、思わず目を背けてしまうほどのショックを受けた覚えがあります。 
 長崎への慰霊の気持ちを込めて「長崎の鐘」をファーストソングに選びました。 長崎はクリスチャンの多い地です。この歌の歌詞にも『ロザリオ』『マリア様』と出てきます。 そもそもこの歌は、原爆で妻を亡くし、自らも被爆、やがて白血病で亡くなる永井隆博士の同名著書をモチーフに作られた曲です。 
『長崎の鐘』は浦上天主堂の『アンジェラスの鐘』で、原爆投下後に奇跡的に掘り起こされ再び鳴り響いた時には、長崎市民をどんなにか勇気づけたことでしょう🔔

 リクエスト1曲目は、超お久しぶり(何年ぶり?)(笑)のお客様より「ヒロシマ」 フランスのシンガーソングライターのジョルジュ・ムスタキの曲で、被爆地広島を悼み、平和を呼びかけるメッセージ・ソングです。 
 原曲には『彼女(elle)は明日やってくるだろう』とあり、その彼女とは『平和(La Paix)』のことだと示されています。 日本語の歌詞はヒロコ・ムトー氏によるもので、同じニュアンスが感じられます。

 急遽ご参加の女性のお客様より『Mr.Mで「Fly Me to the Moon」を』と。 ご指名に与(あずか)って、洋楽番長の出番です٩(^‿^)۶ ムーディにリードしてくれました。

 「折り鶴」 作詞 作曲の梅原司平さんが、1982年に東京都原爆被害者団体協議会25周年コンサートに出演する際、被爆者の想いに寄せて創った曲で、『戦争』『平和』『反核』と云う重いテーマを題材にすることを、『よほど心して書かねばと云う想いと、中途半端な気持ちでは到底書けなかった。』とご本人が語っています。 
 そんな想いから生まれたこの歌ですが、ヒロシマ・ナガサキの悲しみに寄り添い、折り鶴に託した気持ちが強く伝わります。 

 「心はいつも夜明けだ」 1961年『九州うたごえ祭典創作』第1位で、同年の『日本のうたごえ祭典』で発表された楽曲です。 原題は「心にゃ夜はない」だったのですが、全国のうたごえ仲間の意見で現在の題名になったそうです。 私は不案内でしたが、若い労働者へのエールが明るく唄われています。 3番の歌詞『そうだ! きょうもガンバロー!』は、メロディが無い『掛け声』と云うのも斬新ですね。

 ロシア民謡「カチューシャ」 ヴィレッジ・シンガーズ「亜麻色の髪の乙女」 伊東きよ子「花と小父さん」 ジェリー藤尾「遠くへ行きたい」の人気曲4曲を続けて歌いました。
どれもお馴染みの曲なので、皆さんの声もひときわ響いていました♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪

 「ラ・メール」 フランス語で『海』を意味する言葉です。 この曲は1946年に、フランスの歌手シャルル・トレネが作詞 作曲、自身で発表したシングルが大ヒットして、シャンソンのクラシック、ジャズのスタンダードとして多くの歌手に歌われてきました。 
 1960年には、ボビー・ダーリンが英語の歌詞をつけて「Beyond the Sea」としてリリース、大ヒットしました。
 包み込むような美しいメロディが、穏やかな波に揺られているような気持ちにさせてくれます🌊

 「あなたのすべてを」 これも度々リクエストされる、佐々木 勉の作詞 作曲で、本人が歌って歌手デビューしています。  この曲は究極のラブソングと言っても良いほど、甘いフレーズで溢れています。 
 佐々木 勉は、ザ・サベージ「いつまでも いつまでも」、ザ・ブロード・サイド・フォー「星に祈りを」の作詞 作曲の他、榊原郁恵「夏のお嬢さん」 ヒロシ&キーボー「3年目の浮気」 ロス・インディオス&シルヴィア「別れても好きな人」などの、アイドル曲や歌謡曲も多く手掛けていますが、残念なことに1985年に46歳の若さで亡くなっています。

 本日お初参加のご夫婦から、中島みゆき「時代」、岡本真夜「トゥモロー」を続けてリクエスト頂きました。 どちらも当歌声サロンでの人気曲ですが、特に「時代」は日本のスタンダードとして歌い継がれてきた曲です。 「トゥモロー」はいつ歌っても元気になれる1曲です。

 「Take Me Home, County Roads (カントリーロード)」 335歌集に入っているこの曲は、日本語の歌詞も付いているのですが、Mr.Mも私も自信なく英語の歌詞のみで歌わせて頂きました。 
 この歌を作って歌ったのは、アメリカのカントリー・シンガーJohn・Denver(ジョン・デンバー)ですが、後にオリビア・ニュートン=ジョンがカヴァーしてより広く知られるようになりました。 日本ではジブリ映画『耳をすませば』の挿入歌、エンデイング主題歌として使われ、この時日本語の歌詞が付けられました。 (高校時代、ジョン・デンバーに夢中だったのは… 私です^_^)

 「えんぴつが一本」 335歌集収録のこの曲は、おそらくお初リクエストでした。 故坂本九ちゃんが歌っていますが、作詞 作曲の浜口庫之助氏自身も、アルバム『自作自演集』で歌っています。 NHK『みんなのうた』でも紹介されて耳にしたことはありましたので、お初でしたが何とか歌えたと思います。 明るい曲調の、はずむようなリズムで歌う楽しい曲です✏️

 「真赤な太陽」 1967年に、美空ひばりがジャッキー吉川とブルー・コメッツをバックに従えて歌った楽曲です。 ミニスカートの美空ひばりがゴーゴーダンスを踊りながら歌って、それまでのイメージを一新した曲ですが、作曲の原信夫は、美空ひばりのジャズセンスを見込んでジャズのリズムで作ったそうです。 アレンジはブルー・コメッツの井上忠夫(のち井上大輔)が担当し、そのままバックも務めることに。 140万枚の大ヒットになり、多くのアーティストにもカヴァーされています。 

 ここで前半最後のリクエストは、冒頭の紹介曲の時にはまだお出ましでなかったお客様より「長崎の鐘」  リクエスト者のリードで本日2回目の「長崎の鐘」を歌いましたが、1回目よりも皆さんの想いがより深く感じられ、遠く離れた長崎の地へ追悼の気持ちを届けられたのでは無いでしょうか?🔔🔔

 ここで前半終了。 ピアニストより、ピアノコンサートのご案内をさせて頂きました。

 後半は、リクエスト曲「コザックの子守歌」を2度繰り返してリスタート。 眠りを誘う優しい旋律は、元はロシアの作家ミハイル・レールモントフが流刑中に、カフカスのテレク・コサック軍の地で、その地の老婆が歌っていた子守歌を採譜し、ロシア語詩に直したのが始まりだそうです。
 日本語の歌詞は、525歌集の津川主一訳のものや、度会祐一訳の『眠れや愛し子 安らかに』で始まるものが好まれています。 倍賞千恵子さんが歌っていますが、本当に美しい歌声で癒されます。これには3番の歌詞も歌われていますので、載せておきます。

       いとしの吾子よ コザックの吾子
       安らにねむれ 朝日さすまで

 「テネシー・ワルツ」を、またまたご指名のMr.Mのリードで、英語と日本語の両方で歌い、『ひとつ屋根の下』の主題歌になった、財津和夫「サボテンの花」を続けて歌いました。

 「無言坂」 335歌集の曲ですが、これもお初リクエストでした。 1993年の香西かおりのヒット曲ですが、作曲は玉置浩二と云うことでびっくり!ʕʘ‿ʘʔ 多くの歌手と共に、玉置浩二本人もこの歌をアルバムでセルフカヴァーしています。 作詞の市川睦月とは、『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』などのテレビドラマを手掛けた名プロデューサー、久世光彦のペンネームと云うので2度びっくり! 『無言坂』と云うのは、久世の出身地・富山県富山市の坂をモチーフとしているそうです。 
 ジャンルは演歌ですが、どこか演歌っぽく無いアレンジがさすが玉置浩二ですね。

 「心もよう」 井上陽水の名曲ですが、1973年リリースなので、歌詞もメロディもフォークのテイストが感じられます。 静かに語りかけるように歌い始めますが、サビの『さびしさだけを 手紙につめて…』から一気に力強く歌い上げるコントラストが秀逸です。

 洋楽の中でも人気のある「エーデルワイス」 335歌集の中で早くから頻繁にリクエストされてきた、本田路津子「耳をすましてごらん」(朝ドラ『藍より青く』の主題歌でした)
フォークのスタンダードの、森山良子「この広い野原いっぱい」 ジャズシンガー志望だった森山良子は、この歌のヒットによってフォーク歌手への道へと方向転換することになったそうです。

 「ひまわり」 美しい旋律が切なさと望郷の想いへ誘(いざな)いますが、この曲の『ひまわり畑』があるのは戦火のウクライナ地方です。 リクエスト者の想いも一日も早い平和の訪れでした。 停戦への動きは進んでいるのでしょうか?

「狙い打ち」この日はお初リクエストが目白押しで、この曲もその1つでしたが、この日一番の盛り上がりでした٩( ᐛ )و〜🎵  ピアニストもノリノリで、さながら甲子園の応援曲のような演奏に皆さん拍手喝采でした🎹

 「栄光の架橋」 フォークデュオ ゆずの楽曲で、2004年のアテネオリンピック時のNHK公式テーマソングとして作られました。 男子体操団体金メダルの快挙と共に、この曲はその後様々なスポーツ大会で流されてきましたが、当サロンでも何度かリクエストされています。
 歌うのにはなかなか難しい曲なのですが、何度も歌ってきたので皆さんよくご存知で、ラスト近くのほぼアカペラ(伴奏無し)の部分が、練習したかのようにピッタリと合って、その静かな歌声が美しく響いて、密かに感動しました。

 「未来へ」 1998年リリースのKiroroの2枚目のシングルです。 母を想う優しい曲ですが、作詞 作曲の玉城千春が中学3年の時に、ただの風邪を引いていただけの母親を重病だと思い込み、思い出の曲としてプレゼントしようと初めて作った曲だそうです。それにしても中3にしてこの感性… 『あっぱれ!』ですね
( ◠‿◠ )

 「旅人よ」 弾厚作こと加山雄三の楽曲で、作曲は加山雄三が担っています。  作詞は岩谷時子で、人生を旅に準(なぞら)えて書かれているようで、詩として朗読してみてもとても味わい深いと思います。 この曲は本当に老若(?)男女関係なく、いつも年間リクエストの上位に入ってきます。

 「翼」 『世界のタケミツ』と評される武満徹の作詞 作曲で、ネオクラシカルな雰囲気のある曲です。
 この曲は1982年に東京の西部劇場(現・PARCO劇場)にて上演された舞台『ウイングス(Wings)』の劇中歌として作られ、舞台では市原悦子さんによって歌われました。 この劇は、脳卒中で失語症になった元女性アクロバット飛行士の闘病を描いているようで、この歌の歌詞には、以前は『自由』に空を飛べていた様子と、また空を飛びたいと云う『希望』が見て取れます。
 また、ほぼ独学で音楽を学んだ武満徹ですが、クラシックの枠に留まらず、いわゆる『ジャンルを越えた』音楽を作っており、次のように語っています。
  『「翼」という歌にも書いたように、私にとってのこうした営為(いとなみ)は、『自由』への査証を得るためのもので、精神を固く閉ざされたものにせず、いつも柔軟で開かれたものにしておきたいという希(ねが)いに他ならない。』
 この「翼」も、曲調、リズムが緩やかに変化し、しかもそれが美しく繋がってラストに導かれていく素晴らしい楽曲に仕上がっています。

 「学生街の喫茶店」これもコンスタントに人気のある1曲で、度々リクエストされます。 フォークグループ ガロの最大ヒット曲ですが、元はアルバムからのシングルカットのB面でした。 作詞 山上路夫、作曲 すぎやまこういちのヒットメーカーによる『フォークソング風歌謡曲』のこの曲は、ガロのメンバーたちにとっては自分たちの音楽性にそぐわない、と云う忸怩(じくじ)たる思いもあったようです。 

 ラストリクエストは 「帰れソレントへ」 男性陣に大人気の曲で、土曜歌声ご常連の男性の皆さんは声自慢でいらっしゃるので、リクエスト者のリードを中心に大迫力の歌声が、この室内だけでなく、短歌会館中に轟き渡ったのではないでしょうか?((((♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪)))
 思い切り声を出して歌った後は、心地よい疲れと晴れやかな気持ちに満たされますね^_^

 30曲以上歌ってからのラストソングは、Mr.M選曲の「少年時代」 『逝く(なかなか逝きませんが…笑)夏』を思い起こして惜しむ歌ですが、純真無垢だった少年・少女の頃を思い出させるノスタルジックな歌詞と旋律に酔わされます。

 さてこの原稿を書いているのは、高校野球の準々決勝、準決勝の頃。 無類の高校野球ファンの私に限らず、多くの人が公立高校の県立岐阜商業(県岐商)の快進撃に心躍らされる日々だったのでは?⚾️ 
 残念ながら決勝進出は叶いませんでしたが、『あっぱれ』プレーに感動の連続でしたね。
 決勝は明日。 日大三高は愛知県代表の豊橋中央高校が初戦で好ゲームを繰り広げた相手です。 仙台育英の監督、選手たちからも優勝を託された沖縄尚学も魅力的なチームだし… 果たしてこの夏一度も負けない学校はどちらになるのでしょうか?

 次回の土曜歌声も実はもう明日(汗) 皆さんにお会いする時には勝敗は決しているはず…
(いやいや、早稲田実業🆚駒大苫小牧の伝説の再試合のようにならないとは言い切れないし…^ - ^)  
野球の話ばかりで… ごめんなさい🙇‍♀️

 明日は、最上級の酷暑(鬼暑)になる予報です🥵 夕方からは若干下がるようですが、皆さんくれぐれも熱中症には気を付けて、暑さ対策万全でお越し下さいね。

神田陽子



 
2025年8月8日金曜日
土曜夜の歌声サロンラウム~ 7月12日のご報告~ 神田陽子

  連日の猛暑に悲鳴を上げながら、3週連続開催の土曜歌声も、無事この日3週目を迎えることができました。 

 
 夏の高校野球地方予選も始まって、球児たちと共に、甲子園での熱戦を楽しみにしている人も多いことでしょう。(私もその1人です^_^) そんな想いを込めて、ファーストソングには「栄冠は君に輝く」を高らかに歌い、気分上々で始まりました⚾️

 サプライズ登場の麗しのN嬢が、チャーミングボイスでお名前をコールしてくれると云うプレミアム付きこの日の歌声サロン、リクエスト1曲目は「百万本のバラ」 
 日本では加藤登紀子の歌唱でヒットしましたが、原曲はラトビア語の「マーラは与えた」と云う曲で、その内容は、大国に運命を翻弄されてきたラトビアの苦難を暗示しているそうです。 

 「少年時代」 骨折のため入院、リハビリを経て3ヶ月ぶりに復帰のお客様(皆さんの拍手で迎えられました)よりリクエストされました。 1年を通じて人気のある曲ですが、やはり夏に歌うと季節感に浸れますね👒

 「青い珊瑚礁」 松田聖子の2枚目のシングルですが、この曲で松田聖子人気は一気に高まり、聖子ブームと共にかの有名な聖子ちゃんカットも日本中を席巻したのでした。 (かく言う私も聖子ちゃんカットに心酔😅) いきなりハイトーンのサビで始まるこの歌は、なかなか難しいと思いますが、松田聖子ののびやかな歌声にぴったりの曲です。

 「酒と泪と男と女」 河島英五の名曲ですが、彼は48歳の若さでこの世を去っています。 男っぽい声で力強く歌われた曲ですが、男と女の心情を唱いあげ、特に男性からの共感を得ています。 当サロンではピアノのアレンジが優しい雰囲気を出しているので、バラード風にも感じられる曲調になっています。

 「希望」 このところ毎回のようにリクエストされる人気曲です。 擬人化された『希望』を訪ね歩く歌は、前半の重く沈鬱なムードから、終盤は『希望という名の マーチが響く』と、明るい未来を予兆させるものになっています。 岸洋子の歌唱で有名ですが、525歌集に収録されている歌詞はフォー・セインツのもので、岸洋子版は3番の歌詞が若干違っています。
 尚、この曲の作曲はいずみたく氏。 現在放送中の朝ドラ『あんぱん』に出てくる『いせたくや』のモデルで、今をときめくMrs. GREEN APPLE のボーカル 大森元貴が演じます。

 「かもめが翔んだ日」 久しぶりのリクエストでした。 独特の短いイントロの後、『ハーバーライトが朝日に変る その時一羽のかもめが翔んだ…』と歌い、けっこう長い間奏をはさんで1番が始まると云う変わった構成ですが、当初冒頭部の歌詞は無かったそうです。 『何かが足りないので、幕開きの詞が欲しい』と云うディレクターの要望により、作詞の伊藤アキラは冒頭2行の歌詞を追加したそうですが、印象的なオープニングになっていて断然良いですね。

 「私に人生と言えるものがあるなら」 私は当サロンでこの曲を知りましたが、原曲はアメリカのフォークソング「Faded Roses(色褪せたバラ)」で、この曲に感動した笠木透が、自分の青春と重ね合わせて詩を書いたそうです。 メロディが洒落ていて、アメリカンテイストの香りがします。

 「いちご白書をもう一度」  ユーミンがバンバンのばんばひろふみの依頼で作った曲ですが、この曲が売れなかったらバンバンは解散する覚悟だったそうです。 大ヒットのおかげで『バンバンの寿命を延ばしてくれた曲』と ばんばは語っていますが、ネーミングの斬新さと、哀愁のあるやや長めのイントロもヒットの要因でしょう。 (イントロって大事だと思うのですが、最近の歌はイントロが無いものが多いですね(◞‸◟)

 「飛んでイスタンブール」 これも久しぶりのリクエストでした。 庄野真代の大ヒット曲ですが、今回しらべたところ、元々は作曲の筒美京平が野口五郎のために作った曲だったと云う事実が発覚! 一瞬野口五郎が「飛んでイスタンブール」を歌っているところを想像してみましたが… イメージが湧いてこないʕ•ᴥ•ʔ やっぱり庄野真代でなくっちゃ! 
 エキゾチックなムードのイントロで始まる曲ですが、『無国籍なイメージの曲』と云う依頼だったそうで、歌詞も『イスタンブール』の韻を踏んだ『ルール』『ロール』『シュール』『フェアリー・テール』と、意味よりも音を重視したものになっています。
 締めのフレーズ『パラダイス』の歌い方は、筒美京平から何度もダメ出しがあって、『正解は今でもわかりません。永遠の課題です。』と庄野真代自身が語っています。
 NHKで歌った時は『ジタン』と云う特定商標は使えず、『煙草』と改変して歌ったそうです。 そういえば山口百恵の「プレイバック Part2」でも、『ポルシェ』は『車』と変えて歌っていましたね。 (曲のイメージを台無しにしていると思いますが…)

 唱歌「牧場の朝」を爽やかに、ザ・キング・トーンズの「グッド・ナイト・ベイビー」を苦労して、梅沢富美男の「夢芝居」をケレン味たっぷりに歌いました。 全く曲調の違う3曲ですが、皆さん気持ちの切り替えがお上手で、どの歌もいっぱしの出来になってしまうのはさすがです。

 「まちぶせ」 1981年に石川ひとみの歌ったバージョンがヒットしましたが、もとは1976年に三木聖子への提供曲としてユーミンが作詞・作曲した楽曲です。 後に1996年、ユーミン自身もセルフカヴァーしています。 
 元祖『ストーカーの歌』などと言われることもありますが、キャッチーな歌詞とメロディで不動の人気曲です。

 「夢路より」 スティーブン・フォスターの最後の楽曲と言われており、美しいセレナーデはクラシックの歌手にもよく歌われています。
 原題は「Beautiful Dreamer (夢見る人)」で、美しいメロディのため、インストゥルメンタルでBGMとして使用されることも多い曲です。 リクエスト者の見事なリードで歌いました。

 ここまでリクエスト取りの呼び出しコールしながら、久しぶりに濃い歌声も味わって…(笑)少々お疲れ気味だったのでしょうか?(常連の皆様はヘイちゃら(^.^)) そんなN嬢にリクエスト促したところ、『じゃあ、ゆるい曲を』と云うことで出された曲は 「おなかのへるうた」( ◠‿◠ ) 確かに『ゆるい』この歌を楽しく歌って前半終了。 この日復帰のお客様からの差し入れを頂きました。

 後半はいきなりリクエストで再開です。 「夢の途中(セーラー服と機関銃)」 曲を作ったのは来生たかおで本人も歌っていますが、525歌集にある薬師丸ひろ子バージョンとは、歌詞が少し違います。  
 1981年公開の映画『セーラー服と機関銃』は、赤川次郎の同名小説の映画化ですが、主演の薬師丸ひろ子が歌った主題歌も大ヒットしました。 ミディアムテンポの甘いメロディと、去って行く彼女へのメッセージは、アンニュイなムードを感じさせます。

 「ゴンドラの唄」 1915年(大正4年)に発表された歌謡曲で、作詞は吉井勇、作曲は中山晋平です。 芸術座第5回公演『その前夜』の劇中歌として松井須磨子が歌唱。 大正時代の流行歌として人気を博しました。
 歌詞はアンデルセンの『即興詩人』(森鴎外 訳)の一節を基にしているそうです。『妄想』と云う章に、『其辞にいはく、朱の唇に触れよ、誰れか汝の明日あるを知らん。(略)』とあり、そこから『いのち短し恋せよおとめ 朱き唇あせぬ間に』『明日の命はないものを』などのフレーズが生まれたのでしょう。
 この曲は黒澤明監督の映画『生きる』の中で、志村喬演じる主人公の男性がブランコに乗って口ずさむシーンで使われ、リバイバルヒットにつながったようです。 

 「ハナミズキ」 この曲も当サロンで人気の1曲で、特に5月以降はよくリクエストされます。 一青窈は手話付きで歌っていましたが、彼女のこの曲に対する想いがその表現に強く現れていました。 
 『歌う人が自分の最も好きな箇所だったり、共感できる部分を見つけて、そこは特に気持ちを込めて歌うと良いですよ。』とは、以前観光ホテルで歌声イベントをされた庄野真代さんのお言葉ですが、そうやって歌うことで曲への想いも深くなるのでしょうね。

 「想い出がいっぱい」 フォークデュオH2Oのシングルで、テレビアニメ『みゆき』の主題歌に起用され人気が出ました。 作詞 阿木燿子、作曲 鈴木キサブローと云うヒットメーカーの曲でしたが、それまでは自作の曲を歌っていた彼らにとっては、プロの作家の手による同曲のヒットは手放しで喜べないジレンマもあったそうです。
 爽やかな歌詞とメロディは、中高生の合唱コンクールで選曲されることも多く、発売から40年以上経った今日でも幅広い世代によく知られている曲です。

 「花まつり」 アンデスのフォルクローレ(民謡)で、メロディを聴くと『あー、この曲ね』と思い出されることでしょう。 軽快な曲調で演奏されますが、この曲は『カルナバリート』と呼ばれるリズムの曲で、『カルナバリート』は宗教的な祝祭と関係がある舞踊でもあり、ペルー、ボリビア東部、アルゼンチン北西部、チリ北部などで未だに踊られています。

 「マイ・ウェイ」  原曲は1967年のクロード・フランソワのシャンソン「Commed’habitude (コム・ダビチュード)で、意味は『いつものように』 ポール・アンカが英語の歌詞を書いて、フランク・シナトラが歌い、世界中で知らぬ人はいないと云う名曲として多くのアーティストに歌われています。
 日本語の歌詞は岩谷時子の詩が素晴らしく、広く歌われていますが、布施明が歌ったバージョンもよく知られています。 
 人生の終焉が近づく時、これまで来た道を振り返って、苦難はあったものの、いつも自分のやり方を貫いてきたことに後悔は無いと云う深淵なテーマの楽曲です。 Mr.Mに力強くリードしてもらいましたW(`0`)W🎶🎶

 『ゆるい(笑)のを…』と出されたのは「ひょっこりひょうたん島』 楽しく愉快な曲調で、歌っていると何だかウキウキしてくるような曲です。 同名のテレビ人形劇は毎日オンエアされていましたが、魅力的なキャラクターたちが織りなすストーリーに夢中になったものです。 ただ今思えば、島が海を漂流して行くと云うのはかなり摩訶不思議ですね…ʕʘ‿ʘʔ

 「想い出まくら」 1975年に、シンガーソングライター 小坂恭子が発表した曲です。ヤマハポピュラーソングコンテスト(通称『ポプコン』)出身のアーティストっぽく無い、大人の恋を感じさせる歌詞ですが、旋律はフォーク調で歌い易いメロディラインになっています。

 「琵琶湖周航の歌」 琵琶湖近辺の風景をゆったりとした旋律に乗せて歌っていますが、そのメロディ、もとは吉田千秋作曲の「ひつじぐさ」と云う曲のものでした。 
 1917年(大正6年)、第三高等学校(現在の京都大学) ボート部恒例の琵琶湖周航の途中、部員の小口太郎による詩を「ひつじぐさ」の旋律で歌ったのがお初だったそうで、その後この歌は、三高の寮歌・学生歌として歌い継がれています。
 多くの歌手も歌っていますが、1971年(昭和46年)に、加藤登紀子の歌唱によって広く知れ渡りました。
 歌詞は全6番からなっていますが、525歌集には4番まで収録されています。 5番、6番も知りたくなって調べました。
  
  5. 矢の根は深く 埋(うず)もれて
    夏草繁(しげ)き 堀の跡
    古城にひとり 佇(たたず)めば
    比良(ひら)も伊吹も 夢のごと

  6. 西国十番 長命寺
    汚(けが)れの現世(うつしよ) 遠く去りて
    黄金(こがね)の波に いざ漕(こ)がん
    語れ我が友 熱き心

「ぞうれっしゃよはしれ」 戦時中日本の動物園では多くの大型動物が処分されました。
空襲で万が一動物たちが逃げ出しては一大事と云うことで取られた処置でした。 戦争は人間だけでなく、動物たちにも犠牲を強いていたのです。 『かわいそうなゾウ』と云う、涙無くしては読めない悲しい童話も書かれています🐘
 戦後唯一残されていた象が、この名古屋の東山動物園にいたのです。 その象を見たいと願う子どもたちのために、敗戦後アメリカ占領下の1949年(昭和24年)に、各地と名古屋の間を走った特別列車が『象列車』でした。 象が乗って各地を巡ったように感じられますが、よく考えればそんなはず無いですよね(笑)
 曲は明るくテンポ良く歌われて、象を見に行く子どもたちの嬉しさが溢れています。

 「箱根山」 「箱根八里」が正式名称ですが、森繁久彌は「箱根の山」で歌っています。
 作詞は鳥居忱(まこと)、作曲は夭折の瀧廉太郎です。 
  歌詞には、李白の漢詩『蜀道難』の一節が織り込まれるなど、漢籍に見られる故事や古典、歴史に由来する事項が多く盛り込まれていて難解この上ない楽曲です。
 先に歌詞が公表されて、曲は懸賞付きで募集されましたが、難解な歌詞に多くのベテラン作曲家もしり込みしたそうです。 そんな中、東京音楽学校を卒業して間もない瀧廉太郎が作曲に挑んでできたのがこの曲です。 ヨナ抜き音階で書かれ、リズムはピョンコ節あり、三連符ありでバラエティに飛んでいますが、歌詞にマッチした勇猛な曲調に仕上がっています。 

 はしだのりひことシューベルツ「風」 中島みゆき「地上の星」の人気曲を続けて歌い、お次は「およげ!たいやきくん」 
 『ひらけ!ポンキッキ』のオリジナルナンバーとして1975年(昭和50年)にリリースされました。 その後大大大ヒットして、現在まで日本で最も売れたシングル曲として『ギネス世界記録2009』にも掲載されています。(オリコン調で450万枚以上!ʕʘ‿ʘʔ)
 1匹のたい焼きが、焼かれている店を逃げ出して海に逃げ込み、自由を謳歌、楽しいことばかり享受していたのに、最終的には釣り針に引っかかって、釣り上げたおじさんに食べられてしまう、と云う超シュールな世界が繰り広げられています。
 曲はメリハリの効いた感じで歌詞に合わせてだんだん盛り上がり、『うみはひろいぜ こころがはずむ!』と歌い切る。この部分なんかスカッとしますね٩(^‿^)۶ 子門真人ばりのリクエスト者のリードで。

 ラストリクエストは 『これが歌いたかったですぅ!』とN嬢からの「フルーツサラダのうた」 『ジョリ ジョリ ジョリ』『ランラ ランラ ラン ラーン』と歌って楽しい気分になりました( ◠‿◠ )

 お別れ曲には、久しぶりに「歩いて帰ろう」を歌いました。 テンポの良いこの曲も、『ひらけ!ポンキッキ』の後番組『ポンキッキーズ』のオープニングテーマでした。 子ども番組とは言え、この番組は数多くの名曲を生んでいるのであなどれません٩(๑❛ᴗ❛๑)۶

 さて3週間連続して皆さんと楽しんだ歌声週間でしたが、次回はおよそ1ヶ月先の8月9日です。 (『長いなぁ〜』と思っていましたが、実はもう明日に迫っています。 『えっ! それなのに今ブログ書いてるの?』と云う声が聞こえます…>_< )

 『鬼暑』と言っても良いような地獄の猛暑も少しだけ落ち着きそうですが、まだまだ油断はできません。
暑さ対策しっかりと、水分補給もマメにして元気に歌いにいらして下さいね(^∇^)

                             神田陽子



 
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