連日の猛暑に悲鳴を上げながら、3週連続開催の土曜歌声も、無事この日3週目を迎えることができました。
夏の高校野球地方予選も始まって、球児たちと共に、甲子園での熱戦を楽しみにしている人も多いことでしょう。(私もその1人です^_^) そんな想いを込めて、ファーストソングには「栄冠は君に輝く」を高らかに歌い、気分上々で始まりました⚾️
サプライズ登場の麗しのN嬢が、チャーミングボイスでお名前をコールしてくれると云うプレミアム付きこの日の歌声サロン、リクエスト1曲目は「百万本のバラ」
日本では加藤登紀子の歌唱でヒットしましたが、原曲はラトビア語の「マーラは与えた」と云う曲で、その内容は、大国に運命を翻弄されてきたラトビアの苦難を暗示しているそうです。
「少年時代」 骨折のため入院、リハビリを経て3ヶ月ぶりに復帰のお客様(皆さんの拍手で迎えられました)よりリクエストされました。 1年を通じて人気のある曲ですが、やはり夏に歌うと季節感に浸れますね👒
「青い珊瑚礁」 松田聖子の2枚目のシングルですが、この曲で松田聖子人気は一気に高まり、聖子ブームと共にかの有名な聖子ちゃんカットも日本中を席巻したのでした。 (かく言う私も聖子ちゃんカットに心酔😅) いきなりハイトーンのサビで始まるこの歌は、なかなか難しいと思いますが、松田聖子ののびやかな歌声にぴったりの曲です。
「酒と泪と男と女」 河島英五の名曲ですが、彼は48歳の若さでこの世を去っています。 男っぽい声で力強く歌われた曲ですが、男と女の心情を唱いあげ、特に男性からの共感を得ています。 当サロンではピアノのアレンジが優しい雰囲気を出しているので、バラード風にも感じられる曲調になっています。
「希望」 このところ毎回のようにリクエストされる人気曲です。 擬人化された『希望』を訪ね歩く歌は、前半の重く沈鬱なムードから、終盤は『希望という名の マーチが響く』と、明るい未来を予兆させるものになっています。 岸洋子の歌唱で有名ですが、525歌集に収録されている歌詞はフォー・セインツのもので、岸洋子版は3番の歌詞が若干違っています。
尚、この曲の作曲はいずみたく氏。 現在放送中の朝ドラ『あんぱん』に出てくる『いせたくや』のモデルで、今をときめくMrs. GREEN APPLE のボーカル 大森元貴が演じます。
「かもめが翔んだ日」 久しぶりのリクエストでした。 独特の短いイントロの後、『ハーバーライトが朝日に変る その時一羽のかもめが翔んだ…』と歌い、けっこう長い間奏をはさんで1番が始まると云う変わった構成ですが、当初冒頭部の歌詞は無かったそうです。 『何かが足りないので、幕開きの詞が欲しい』と云うディレクターの要望により、作詞の伊藤アキラは冒頭2行の歌詞を追加したそうですが、印象的なオープニングになっていて断然良いですね。
「私に人生と言えるものがあるなら」 私は当サロンでこの曲を知りましたが、原曲はアメリカのフォークソング「Faded Roses(色褪せたバラ)」で、この曲に感動した笠木透が、自分の青春と重ね合わせて詩を書いたそうです。 メロディが洒落ていて、アメリカンテイストの香りがします。
「いちご白書をもう一度」 ユーミンがバンバンのばんばひろふみの依頼で作った曲ですが、この曲が売れなかったらバンバンは解散する覚悟だったそうです。 大ヒットのおかげで『バンバンの寿命を延ばしてくれた曲』と ばんばは語っていますが、ネーミングの斬新さと、哀愁のあるやや長めのイントロもヒットの要因でしょう。 (イントロって大事だと思うのですが、最近の歌はイントロが無いものが多いですね(◞‸◟)
「飛んでイスタンブール」 これも久しぶりのリクエストでした。 庄野真代の大ヒット曲ですが、今回しらべたところ、元々は作曲の筒美京平が野口五郎のために作った曲だったと云う事実が発覚! 一瞬野口五郎が「飛んでイスタンブール」を歌っているところを想像してみましたが… イメージが湧いてこないʕ•ᴥ•ʔ やっぱり庄野真代でなくっちゃ!
エキゾチックなムードのイントロで始まる曲ですが、『無国籍なイメージの曲』と云う依頼だったそうで、歌詞も『イスタンブール』の韻を踏んだ『ルール』『ロール』『シュール』『フェアリー・テール』と、意味よりも音を重視したものになっています。
締めのフレーズ『パラダイス』の歌い方は、筒美京平から何度もダメ出しがあって、『正解は今でもわかりません。永遠の課題です。』と庄野真代自身が語っています。
NHKで歌った時は『ジタン』と云う特定商標は使えず、『煙草』と改変して歌ったそうです。 そういえば山口百恵の「プレイバック Part2」でも、『ポルシェ』は『車』と変えて歌っていましたね。 (曲のイメージを台無しにしていると思いますが…)
唱歌「牧場の朝」を爽やかに、ザ・キング・トーンズの「グッド・ナイト・ベイビー」を苦労して、梅沢富美男の「夢芝居」をケレン味たっぷりに歌いました。 全く曲調の違う3曲ですが、皆さん気持ちの切り替えがお上手で、どの歌もいっぱしの出来になってしまうのはさすがです。
「まちぶせ」 1981年に石川ひとみの歌ったバージョンがヒットしましたが、もとは1976年に三木聖子への提供曲としてユーミンが作詞・作曲した楽曲です。 後に1996年、ユーミン自身もセルフカヴァーしています。
元祖『ストーカーの歌』などと言われることもありますが、キャッチーな歌詞とメロディで不動の人気曲です。
「夢路より」 スティーブン・フォスターの最後の楽曲と言われており、美しいセレナーデはクラシックの歌手にもよく歌われています。
原題は「Beautiful Dreamer (夢見る人)」で、美しいメロディのため、インストゥルメンタルでBGMとして使用されることも多い曲です。 リクエスト者の見事なリードで歌いました。
ここまでリクエスト取りの呼び出しコールしながら、久しぶりに濃い歌声も味わって…(笑)少々お疲れ気味だったのでしょうか?(常連の皆様はヘイちゃら(^.^)) そんなN嬢にリクエスト促したところ、『じゃあ、ゆるい曲を』と云うことで出された曲は 「おなかのへるうた」( ◠‿◠ ) 確かに『ゆるい』この歌を楽しく歌って前半終了。 この日復帰のお客様からの差し入れを頂きました。
後半はいきなりリクエストで再開です。 「夢の途中(セーラー服と機関銃)」 曲を作ったのは来生たかおで本人も歌っていますが、525歌集にある薬師丸ひろ子バージョンとは、歌詞が少し違います。
1981年公開の映画『セーラー服と機関銃』は、赤川次郎の同名小説の映画化ですが、主演の薬師丸ひろ子が歌った主題歌も大ヒットしました。 ミディアムテンポの甘いメロディと、去って行く彼女へのメッセージは、アンニュイなムードを感じさせます。
「ゴンドラの唄」 1915年(大正4年)に発表された歌謡曲で、作詞は吉井勇、作曲は中山晋平です。 芸術座第5回公演『その前夜』の劇中歌として松井須磨子が歌唱。 大正時代の流行歌として人気を博しました。
歌詞はアンデルセンの『即興詩人』(森鴎外 訳)の一節を基にしているそうです。『妄想』と云う章に、『其辞にいはく、朱の唇に触れよ、誰れか汝の明日あるを知らん。(略)』とあり、そこから『いのち短し恋せよおとめ 朱き唇あせぬ間に』『明日の命はないものを』などのフレーズが生まれたのでしょう。
この曲は黒澤明監督の映画『生きる』の中で、志村喬演じる主人公の男性がブランコに乗って口ずさむシーンで使われ、リバイバルヒットにつながったようです。
「ハナミズキ」 この曲も当サロンで人気の1曲で、特に5月以降はよくリクエストされます。 一青窈は手話付きで歌っていましたが、彼女のこの曲に対する想いがその表現に強く現れていました。
『歌う人が自分の最も好きな箇所だったり、共感できる部分を見つけて、そこは特に気持ちを込めて歌うと良いですよ。』とは、以前観光ホテルで歌声イベントをされた庄野真代さんのお言葉ですが、そうやって歌うことで曲への想いも深くなるのでしょうね。
「想い出がいっぱい」 フォークデュオH2Oのシングルで、テレビアニメ『みゆき』の主題歌に起用され人気が出ました。 作詞 阿木燿子、作曲 鈴木キサブローと云うヒットメーカーの曲でしたが、それまでは自作の曲を歌っていた彼らにとっては、プロの作家の手による同曲のヒットは手放しで喜べないジレンマもあったそうです。
爽やかな歌詞とメロディは、中高生の合唱コンクールで選曲されることも多く、発売から40年以上経った今日でも幅広い世代によく知られている曲です。
「花まつり」 アンデスのフォルクローレ(民謡)で、メロディを聴くと『あー、この曲ね』と思い出されることでしょう。 軽快な曲調で演奏されますが、この曲は『カルナバリート』と呼ばれるリズムの曲で、『カルナバリート』は宗教的な祝祭と関係がある舞踊でもあり、ペルー、ボリビア東部、アルゼンチン北西部、チリ北部などで未だに踊られています。
「マイ・ウェイ」 原曲は1967年のクロード・フランソワのシャンソン「Commed’habitude (コム・ダビチュード)で、意味は『いつものように』 ポール・アンカが英語の歌詞を書いて、フランク・シナトラが歌い、世界中で知らぬ人はいないと云う名曲として多くのアーティストに歌われています。
日本語の歌詞は岩谷時子の詩が素晴らしく、広く歌われていますが、布施明が歌ったバージョンもよく知られています。
人生の終焉が近づく時、これまで来た道を振り返って、苦難はあったものの、いつも自分のやり方を貫いてきたことに後悔は無いと云う深淵なテーマの楽曲です。 Mr.Mに力強くリードしてもらいましたW(`0`)W🎶🎶
『ゆるい(笑)のを…』と出されたのは「ひょっこりひょうたん島』 楽しく愉快な曲調で、歌っていると何だかウキウキしてくるような曲です。 同名のテレビ人形劇は毎日オンエアされていましたが、魅力的なキャラクターたちが織りなすストーリーに夢中になったものです。 ただ今思えば、島が海を漂流して行くと云うのはかなり摩訶不思議ですね…ʕʘ‿ʘʔ
「想い出まくら」 1975年に、シンガーソングライター 小坂恭子が発表した曲です。ヤマハポピュラーソングコンテスト(通称『ポプコン』)出身のアーティストっぽく無い、大人の恋を感じさせる歌詞ですが、旋律はフォーク調で歌い易いメロディラインになっています。
「琵琶湖周航の歌」 琵琶湖近辺の風景をゆったりとした旋律に乗せて歌っていますが、そのメロディ、もとは吉田千秋作曲の「ひつじぐさ」と云う曲のものでした。
1917年(大正6年)、第三高等学校(現在の京都大学) ボート部恒例の琵琶湖周航の途中、部員の小口太郎による詩を「ひつじぐさ」の旋律で歌ったのがお初だったそうで、その後この歌は、三高の寮歌・学生歌として歌い継がれています。
多くの歌手も歌っていますが、1971年(昭和46年)に、加藤登紀子の歌唱によって広く知れ渡りました。
歌詞は全6番からなっていますが、525歌集には4番まで収録されています。 5番、6番も知りたくなって調べました。
5. 矢の根は深く 埋(うず)もれて
夏草繁(しげ)き 堀の跡
古城にひとり 佇(たたず)めば
比良(ひら)も伊吹も 夢のごと
6. 西国十番 長命寺
汚(けが)れの現世(うつしよ) 遠く去りて
黄金(こがね)の波に いざ漕(こ)がん
語れ我が友 熱き心
「ぞうれっしゃよはしれ」 戦時中日本の動物園では多くの大型動物が処分されました。
空襲で万が一動物たちが逃げ出しては一大事と云うことで取られた処置でした。 戦争は人間だけでなく、動物たちにも犠牲を強いていたのです。 『かわいそうなゾウ』と云う、涙無くしては読めない悲しい童話も書かれています🐘
戦後唯一残されていた象が、この名古屋の東山動物園にいたのです。 その象を見たいと願う子どもたちのために、敗戦後アメリカ占領下の1949年(昭和24年)に、各地と名古屋の間を走った特別列車が『象列車』でした。 象が乗って各地を巡ったように感じられますが、よく考えればそんなはず無いですよね(笑)
曲は明るくテンポ良く歌われて、象を見に行く子どもたちの嬉しさが溢れています。
「箱根山」 「箱根八里」が正式名称ですが、森繁久彌は「箱根の山」で歌っています。
作詞は鳥居忱(まこと)、作曲は夭折の瀧廉太郎です。
歌詞には、李白の漢詩『蜀道難』の一節が織り込まれるなど、漢籍に見られる故事や古典、歴史に由来する事項が多く盛り込まれていて難解この上ない楽曲です。
先に歌詞が公表されて、曲は懸賞付きで募集されましたが、難解な歌詞に多くのベテラン作曲家もしり込みしたそうです。 そんな中、東京音楽学校を卒業して間もない瀧廉太郎が作曲に挑んでできたのがこの曲です。 ヨナ抜き音階で書かれ、リズムはピョンコ節あり、三連符ありでバラエティに飛んでいますが、歌詞にマッチした勇猛な曲調に仕上がっています。
はしだのりひことシューベルツ「風」 中島みゆき「地上の星」の人気曲を続けて歌い、お次は「およげ!たいやきくん」
『ひらけ!ポンキッキ』のオリジナルナンバーとして1975年(昭和50年)にリリースされました。 その後大大大ヒットして、現在まで日本で最も売れたシングル曲として『ギネス世界記録2009』にも掲載されています。(オリコン調で450万枚以上!ʕʘ‿ʘʔ)
1匹のたい焼きが、焼かれている店を逃げ出して海に逃げ込み、自由を謳歌、楽しいことばかり享受していたのに、最終的には釣り針に引っかかって、釣り上げたおじさんに食べられてしまう、と云う超シュールな世界が繰り広げられています。
曲はメリハリの効いた感じで歌詞に合わせてだんだん盛り上がり、『うみはひろいぜ こころがはずむ!』と歌い切る。この部分なんかスカッとしますね٩(^‿^)۶ 子門真人ばりのリクエスト者のリードで。
ラストリクエストは 『これが歌いたかったですぅ!』とN嬢からの「フルーツサラダのうた」 『ジョリ ジョリ ジョリ』『ランラ ランラ ラン ラーン』と歌って楽しい気分になりました( ◠‿◠ )
お別れ曲には、久しぶりに「歩いて帰ろう」を歌いました。 テンポの良いこの曲も、『ひらけ!ポンキッキ』の後番組『ポンキッキーズ』のオープニングテーマでした。 子ども番組とは言え、この番組は数多くの名曲を生んでいるのであなどれません٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
さて3週間連続して皆さんと楽しんだ歌声週間でしたが、次回はおよそ1ヶ月先の8月9日です。 (『長いなぁ〜』と思っていましたが、実はもう明日に迫っています。 『えっ! それなのに今ブログ書いてるの?』と云う声が聞こえます…>_< )
『鬼暑』と言っても良いような地獄の猛暑も少しだけ落ち着きそうですが、まだまだ油断はできません。
暑さ対策しっかりと、水分補給もマメにして元気に歌いにいらして下さいね(^∇^)
神田陽子