2013年2月1日金曜日
復刻版!【今月の歌・語り】第4回目「寒い朝」2006年1月掲載

今月の歌・語り
「寒い朝」
ラウム歌集525 92ページ掲載
 
吉田 正 :曲
佐伯 孝夫:詩



タイトルどおり“寒い朝"がまだまだ続くこの季節、布団から出るのが一苦労という方も多いのではないでしょうか?眠るときまでウォームビズというのも大変ですものね。寒い日が続くと「いったいいつまで続くんだろう…」って、うんざりとしてしまいますが、春の来ない冬はありません。
 
さて、新春の1曲目は、昭和37年に発表された「寒い朝」です。この曲を「懐かしい!…」と思われる方、「ああ、知ってる…」と思われる方、それぞれに年代がわかりますね。実は筆者の母もサユリ世代、この歌の冒頭だけはよく口ずさんでいたのを覚えています。なんとなく歌謡曲らしくない歌いだしに、いつも筆者は「そんなへんてこりんな歌があるの~?」とからかったものでした。
 
この曲は吉永小百合が「和田弘とマヒナスターズ」と共演したものですが、原曲は彼女が主演した映画「愛と死を見つめて」の中で歌われる曲のひとつです。
「愛と死を見つめて」は元祖純愛映画とも言われる、吉永小百合の代表作としてあまりにも有名です。不治の病を患い死を待つのみのミコと、彼女を励ます男子学生マコとのやり取りが映画となったもので、涙なしでは観られない純愛ものでした。その映画の中で、マコがミコを励まそうと電話越しに歌ってあげるうた、それがこの「寒い朝」です。
すでに売れっ子女優として人気を博していた若干17歳の吉永小百合さんですが、さらにこの映画とのタイアップにより「寒い朝」を歌手としてのデビュー曲として売り出したことにより、さらに多くのサユリストたちの心をつかみました。曲の素晴らしさに加え、それだけでなく吉永小百合さんの「すこし素人っぽい歌い方」も、純粋で可憐な彼女のイメージとあいまって人気を得たのではないでしょうか?(といっては小百合さんに失礼かも)

この曲のバックグラウンドにある映画や、少女だった吉永小百合を知らない世代にとっても、この歌の歌詞は心に優しくしみこんできます。北風吹きぬく寒い朝も心ひとつで暖かくなる、と歌うように、人間の不運も心の持ち方一つで前向きに捉えることができるもの、そして若い小鳥はバラのとげの痛みも忘れて未来へと高く飛び立ちます、もちろん、若い小鳥でなくても、いじけていないで望みに胸を元気に張って、北風の中に呼ばうよ春を、と歌い上げるこの歌はまさに年の初めにふさわしい、勇気を与えてくれる曲です。

2006年は皆様にとってどんな楽しいこと、わくわくすることが待っているのでしょうね?もちろん、冷たい風が吹き付けることもあるかも知れませんが、ラウムで明るく歌い飛ばして楽しく幸せな1年にしましょう!



 
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