2024年2月9日金曜日
土曜夜の歌声サロンラウム~ 1月27日のご報告~ 神田陽子

  ついこの間年が明けたと思ったらもう月末。

 1月は「行く」、2月は「逃げる」、3月は「去る」ように時が過ぎるそうですが、地震の被災地では長く辛い日々が続いており、時の流れを感じる余裕もないことと思われます。できるだけ多くの被災者に支援の手が届くのを願うばかりです。

 さてこの日はサプライズで嬉しい参加者がありました(*≧∀≦*) その正体は後ほど(笑)
 
 寒い季節にぴったりの「心の窓にともし灯を」で始めました。 
 作曲は「ちいさい秋みつけた」「めだかの学校」「夏の思い出」などの童謡唱歌を数多くの作った中田喜直氏。 冬によくリクエストされますが、歌謡曲シンガーのザ・ピーナッツが歌っています。 
 1959年に「NHK歳末たすけ合い運動」の一環として作成されたそうですが、「歌の広場」と云う番組で、ピーナッツと共に盲学校の生徒たちも一緒に歌ったことも、その後の人気につながったようです。

 リクエストは「時代」 もはや知らない人はいない日本のスタンダードナンバーの1曲です。 
 作者の中島みゆきは、この曲が「第10回ポピュラーソングコンテストつま恋本戦会」でグランプリを受賞した際のアンコールの場面で、バックのオーケストラを止めてギター1本で歌いバッシングもされたそうです。
「素晴らしい歌詞を引き立たせるためには大音量のバックで歌うよりも、ギター1本の方が良い」と云う、ヤマハの創設者川上源一氏の言葉に感銘を受けたための行動だったようです。

 「慕情」 原題は「Love is a Many Splendored Thing」
 同名の映画の主題歌で、アカデミー賞歌曲賞受賞。 フォー・エイセスが歌いましたが、その後コニー・フランシス、アンディ・ウィリアムス、フランク・シナトラ、ナット・キング・コールといった錚々たる歌手たちに歌われて来ました。  
 作曲者のサミー・フェインは、プッチーニの歌劇「蝶々夫人」のアリア「ある晴れた日に」を参考にこの曲を作ったそうです。 洋楽番長のMr.Mのリードで歌いました。

 美しい歌詞とメロディの唱歌「冬景色」、 映画「汚れなき悪戯」のテーマ曲「マルセリーノの歌」、雪山で遭難した友を懐かしむ「雪山に消えたあいつ」、原曲は「My Dear Old Sunny Home」と云うアメリカ民謡の「故郷の廃家」の4曲を続けて歌いました。
ちなみに「故郷の廃家」の日本語歌詞の作詞家は犬童(いんどう)球渓。 「旅愁」の歌詞も書いている詩人です。

 「二人は若い」 珍しいリクエストでしたが、「あなたと呼べば あなたと答える」のフレーズは誰しも聴き覚えがあるでしょう。 
 作詞はサトーハチロー氏、作曲は古賀政男氏で、ディック・ミネと星玲子のデュエット曲でした。 
 映画「のぞかれた花嫁」(すごいタイトル!ʕʘ‿ʘʔ)の主題歌です。 この曲がヒットしたのは昭和11年で、有名な二・二六事件が起こった年です。 軍部の台頭が著しかった時代に、こんなほのぼのとした曲も歌われていたのですね?

 「さびしいアコーディオン」 1945年頃、当時のソ連でヒットした曲で、第二次世界大戦の独ソ戦を扱った映画「ヨーロッパの開放」のエンディングでも使用されています。 
 フランスのイヴ・モンタン、日本では加藤登紀子がカバーしていますが、アコーディオンのノスタルジックな音色が聴こえてきそうな曲です。

 「たんぽぽ」 前回ネット検索でラウムを見つけて下さったお客様からのリクエストです。 この曲、私はラウムで知りましたが、キャッチィな曲でとても覚えやすくて、歌った後しばらくは頭の中にこのメロディが渦巻いています♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪

 サルヴァトール・アダモの「雪が降る」 日本でもよく知られている曲ですが、安井かずみ氏の歌詞によるものが一般的で、尾崎紀世彦がヒットさせています。 他に岩谷時子さんの歌詞で越路吹雪さんも歌っているようですが、世界各国の歌手にカバーされている名曲です⛄️

 「しおさいの詩」 1971年リリースの小椋佳のデビューシングルです。 後に数々の名曲を世に出す小椋佳ですが、独特の感性から生み出される歌詞が難解な曲もあります。けれどこの歌の歌詞は比較的シンプルで解り易いのではないでしょうか? この歌のB面が「さらば青春」で、これも335歌集に入っていますのでまた歌いたいと思います。
 さてこの曲をリクエストされたのは、今日のサプライズゲスト、ラウム創設者の池辺御大です。 米寿とは信じられない心身の若々しさもさることながら、選曲のセンスにも脱帽です。 小椋佳の歌はどれもお好きだそうです。
 
 「ステンカラージン」 久しぶりのリクエストですが、人気のあるロシア民謡です。リクエスト者の素敵なリードで歌い、スタッフリクエストの「ナポリは恋人」「LOVE LOVE LOVE」で前半終了。

 後半は「東京ブギウギ」でリスタート🎶  歌集には入ってなかったので別紙に印刷して配りましたが1番の歌詞のみでした。 今回、池辺御大がわざわざ手書きで2番を書いてきて下さったので、そちらを配布して歌いました。
 おりしも朝ドラ「ブギウギ」でもついに「東京ブギウギ」がお披露目の兆し。以前のブログでも書きましたが、電車の走る音に合わせてリズムを取るエピソードが流されましたね。  当サロンでもこれから度々歌って元気になりましょう٩(^‿^)۶

 リクエストは「ビヤ樽ポルカ」  チェコで1920年代に作曲されたポルカで、「ポルカ」とは4分の2拍子の活発な舞曲で、各小節の第3番目の8分音符が強調されています。名称はチェコ語のPolska (ポーランド娘)に由来しているそうです。
 軽快なテンポで明るく歌えば、気分もアップ、楽しくなること請け合いの1曲です。

 「飾りじゃないのよ涙は」  井上陽水の楽曲を中森明菜が独特のムードで歌い上げ、奇跡のコラボレーションとも言われる高評価の曲ですが、歌うのはなかなかチャレンジング。
 勉強してまた頑張ります(*´∀`)♪

 「島原の子守唄」 私は不案内なのでMr.Mにお願いして歌いました。 長崎弁の独特の言葉が並ぶ美しい子守唄です。 
 少し調べましたら「おどみゃ」は「わたし」、「しょうかいな」は「そうかいな」、「オロロンバイ」は「ねんころろん」に近く、「ベンナ」は「口紅」、「つば」は「くちびる」だそうです。
 背景に、貧しい家の娘が外国に売られて行ったことや、キリシタンの受難が描かれていて、「久助どん」は娘を売り買いする仲介役で、「バテレン」は昔の宣教師や、キリスト教の俗称です。 
 それにしても同じ九州人のMr.Mが歌うと、方言が生きてさすがです(๑>◡<๑)

 お次のリクエストもかなり珍しい曲でした。 「見てござる」 私はこれもお初でしたのでMr.Mにお任せしましたが、けっこう皆さんご存知で歌っていらっしゃいました。
 この曲を作った作詞の山上武夫と作曲の海沼實は、故郷が同じ長野県松代町(現 長野市)で、歌詞には、松代藩主・真田家の菩提寺である長国寺そばのお地蔵さんや、千曲川べりの田園風景が描写されていると言われています。

 「会いたい」 1990年リリースの沢田知可子の楽曲ですが、亡き恋人との切ない思い出を歌ったこの曲に、沢田自身は運命的なものを感じたと語っています。 と言うのも、学生時代のバスケットボール部の先輩が、歌手になろうと決意した沢田の最初のファンになってくれると約束した数日後、交通事故で亡くなると云う辛い経験があったからでした。 
 作詞の沢ちひろはこの事を全く知らずにこの歌詞を提供したとのことで、本当に偶然だったのです。 作曲は財津和夫ですが、事実は財津の鼻歌程度の未完成のメロディを元に、編曲の芳野藤丸がほぼ全面的に作り変えて発表した由。

 坂本冬美「また君に恋してる」、松山千春「大空と大地の中で」の2曲を続けて歌いました。
 
 「ちんちん千鳥」  1921年(大正10年)に雑誌「赤い鳥」に発表された北原白秋の歌詞に、作曲家近衛秀麿が曲をつけましたが、成田為三バージョンもあります。 童謡の範疇ですが、格調高いクラシカルな歌曲です。 「お寝(よ)らぬか」のような歌詞に、気品のある日本語の美しさを感じます。

 「ケ・サラ」 近ごろよくリクエストされる曲です。 イタリア語の「Che Sara 」は、「どうなるだろう」と云う意味で、スペイン語の「Que Sera Sera」は、「なるようになる」です。 ちょっと紛らわしいですよね。

 「熱き心に」 これも335歌集の人気曲です。 小林旭の高音を活かしたメロディは、小林旭ファンを公言していた大瀧詠一が作曲したもので、音域が広く歌うのにはなかなか骨が折れますが、とても洗練されたニューミュージック系の楽曲です。

 「ばあや訪ねて」 195歌集に収められているこの曲は池辺御大のお気に入りの1曲なので、リクエストされた時思わず「前でお歌いになりますか?」とお勧めしました。 
 幼い頃に面倒を見てくれた「ばあやさん」を訪ねて行くかつての子どもは、今いくつくらいなのでしょう? 良家の坊ちゃんがお行儀よく馬車に乗って、ばあやの里の風景を楽しんでいる情景が目に浮かびますね。 
 作詞の斎藤信夫と作曲の海沼実のコンビは、「里の秋」「蛙の笛」など有名な曲を作っていますが、今回調べていたら「夢のお馬車」と云う歌もこのコンビの曲でした。 私ごとですが、小学校の時に出た『どんぐり音楽会』で歌った曲がこの「夢のお馬車」でしたので、しばし懐かしい思い出に浸ってしまいました(*≧∀≦*)

 「カタリ・カタリ」 これも人気の歌曲です。 原題は「Core ‘Ngrato」日本語では「つれない心」と訳されていますが、「カタリ」とは女性の名前で、愛する女性「カタリ」に別れを告げられた男性が、忘れられない想いを切々と訴えている曲です。 リクエスト者の見事なリードで、日本語とイタリア語の両方で歌いました。

 ラストソングは、Mr.Mの選んだ「踊り明かそう」 映画「マイフェア・レディ」の挿入歌で、原題は「I Could Have Danced All Night (一晩中踊れたら)」 英語の歌詞には、いわゆる「前歌」と言われる「verse」も入っているので、日本語と英語の両方で歌い、今夜も元気なお開きとなりました。

 今夜は池辺御大のお出ましで、いつにも増して和やかな雰囲気だったような気がします。
 歌声サロン「ラウム」を創設、たくさんの歌集を作って頂いたおかげで、こうやって歌が大好きな皆さんと楽しめているのですから、本当に改めてありがたい想いでいっぱいです。

 さて次回は2月10日。 もう明日に迫っています。 少し寒さも緩むらしいですが、朝夕の気温差は大きいので、くれぐれもお身体大事にして頂きたいと思います。 
 では、また元気に歌いにいらして下さるのをお待ちしています。

神田陽子



 
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