2024年7月27日土曜日
土曜夜の歌声サロンラウム~ 7月13日のご報告~ 神田陽子

  梅雨入りしているはずなのに、まだ梅雨明けしていないのに、酷暑に苦しめられている日々を送っていたこの日、いつものごとく元気な皆さんが集って歌いました。


 夏の風物詩と言えば、高校野球⚾️ 地方予選も始まったことですし、やはりこの曲でと、「栄冠は君に輝く」で高校球児の溌剌さに倣って歌い始めました。 
 歌詞も旋律も『the 高校野球』ですが、それもそのはず、この歌は、学制の改定で『全国中等学校優勝野球大会』が『全国高等学校野球選手権大会』に改称されることとなり、大会歌の歌詞公募より生まれた歌なのです。 加賀大介氏の素晴らしい歌詞に、古関裕而氏がこれもまた秀逸なメロディを付け、今に歌い継がれています。

 リクエスト1曲目は 「陽気に生きようこの人生をさ」 度々リクエストされている曲で、私もこの歌声サロンで覚えました。 タイトル通り陽気に明るい歌で、人生の応援歌のひとつにしたい曲です。

 「この広い野原いっぱい」 1967年発売の森山良子のシングル。 この曲が大ヒットしたことで、ジャズシンガー志望だった森山良子は、『和製ジョーン・バエズ』と呼ばれるフォークの女王へと歩み始めたのです。

 「心の旅」 チューリップの3枚目のシングルで、初のオリコン1位曲です。 当初は作詞 作曲の財津和夫がメインボーカルの予定でしたが、甘い声が魅力的だと云うことで姫野達也が歌うことになり、結果的に大ヒットしました。

 「あなたが夜明けをつげる子どもたち」 笠木透氏のこの歌も度々出されていますが、『たとえどんな困難があっても、必ず明るい未来が待っているよ。』と、優しく子どもたちに伝えるメッセージソングですね。 

 「明日がフランスの革命記念日なので…」と出された曲は「パリ祭」  郷愁を誘う甘いメロディのシャンソンを、リクエスト者のリードで歌いました。 
 日本人はシャンソン好きで、語りかける様に歌われる曲、エレガントで優美な旋律、軽やかな曲調を楽しんでいます。 故 石井好子さん主催の『パリ祭』と冠されたシャンソンのコンサートがあるほどですが、本場フランスでは、日本で人気の曲の数々は『レトロ』と呼ばれて意外と知られていないそうです。

 珍しく男性のお客様から、梓みちよ「二人でお酒を」のリクエスト。 「こんにちは赤ちゃん」でついた清純派イメージを払拭、大人の女性を歌う実力派歌手へと転身するきっかけとなった曲です。

 「マリネラ」 『マリネラ』はペルーのダンスのことです。 「小雨降る径」で有名なティノ・ロッシが主演した同名の映画(1936年制作)の主題歌です。 起伏に富んだ曲で、途中息継ぎの難しい早口言葉のような部分もあります。 日本では、松島詩子、ディック・ミネ、淡谷のり子等がカバーしていますが、歌詞は525歌集の物とは違います。

 「白い色は恋人の色」 フォークの黄金コンビ北山修、加藤和彦の作詞 作曲で、アメリカ人女性デュオのベッツイ&クリスが美しいハーモニーで歌ったヒット曲です。
 
 「アメリカンフィーリング」 1979年リリースのサーカスのシングルで、『ジャルパック』の『COME TO AMERICA ‘79』のキャンペーンソングとして流れました。 洒落た編曲は坂本龍一が手掛けています。

 「切手のない贈りもの」「心の窓に灯火を」「亜麻色の髪の乙女」「喜びも悲しみも幾歳月」 一年を通して人気の4曲を続けて歌いました。 

 スタッフリクエストは、Mr.Mから「たまには歌ってやらないと…」と「ポー・ボーイ」
私もお初でしたが、お客様も初めての方が多く、ピアニストも苦労して、ほぼアカペラ状態。 原曲は「Poor Boy」と云う黒人民謡で、歌声喫茶で歌われて来ましたが、『火垂るの墓』の直木賞作家 野坂昭如氏が、この歌で歌手デビューしています。

 小休止の後、紹介曲に335歌集から「冷たい雨」を選んでリスタート。 ユーミンの作詞 作曲ですが、ハイ・ファイ・セットの歌唱でヒットし、後にユーミンもセルフカバーしています。  都会的なアレンジのオシャレな曲ですが、歌詞の内容は結構残酷で重い…(>_<)
けれど、アップテンポで軽やかな曲調がその重さを感じさせない曲です。 

 リクエストは「私に人生と言えるものがあるなら」 この曲も近頃たびたびリクエストされますが、原曲のアメリカンフォークソングに笠木透氏が詩を書いて、高石ともやがいたザ・ナターシャ・セブンが歌いました。 
 大げさなタイトルとは裏腹に、優しい曲調で静かに心に沁みて来る1曲です。

 「つぐない」 テレサ・テンが、愛する男性のもとを離れていく女心を切なく歌った歌謡曲ですが、耐える女性の感情を歌わせたら、テレサの右に出る者はいないのでは? と私は思っていますが…

 「別れ」 ドイツ民謡で、525歌集の物は山本学治氏の歌詞ですが、『さらば さらば わが友 しばしの 別れぞ 今は 』の岡本敏明氏の訳詩の物がよく歌われています。 
 ドイツ語の歌詞『Muss i denn』から「ムシデン」と呼ばれることもあります。

 「悲しくてやりきれない」 この曲は、2枚目のシングル曲として予定されていた「イムジン河」が発売自粛となったため、それに代わる曲として急遽作られた曲です。 
 作曲の加藤和彦は、『フジパシフィックの会長室に、半ば軟禁状態でわずか3時間で適当に作った。』と話しています。 彼が敬愛するビートルズの不世出の名曲「Yesterday 」が、超短時間で生まれたと云うエピソードを思い出しました。

 「夜明けのスキャット」 1969年に発売された由紀さおりのシングルです。 1番は『ルー ルールルルー』『ラン ラン ラララー』と具体的な歌詞の無い、いわゆるスキャットで歌われています。 私が『スキャット』と云う言葉を初めて知ったのはこの曲でした。 後に、メロディがサイモン&ガーファンクルの「The Sound of Silence」に似ていると物議を醸したそうですが…

 「私は泣いています」 珍しいリクエストでしたが、皆さんよくご存知でした。  
  りりィの作詞 作曲 歌唱で大ヒットしましたが、ハーフのりりィが遊びで作った英語詩
『I’m crying on the bed』に自ら日本語の歌詞をつけたもので、当初は知り合いの研ナオコに歌ってもらうつもりだった、と云うエピソードがあります。 研ナオコが歌っていたらどうなっていたのでしょう?

 湯原昌幸「雨のバラード」 ペドロ&カプリシャス「五番街のマリーへ」 森山良子「涙そうそう」の3曲を歌いましたが、どの曲も皆さんの歌声がよく響いていました。

 「鉄腕アトム」 作詞 谷川俊太郎、作曲 高井達夫のあまりにも有名なアニメ『鉄腕アトム』の主題歌です。 
 今では誰もが知っているこの曲ですが、作曲の高井氏によると依頼されて3曲のテーマソング候補を作ったそうです。 ところがこの曲を気に入ったのは作者の手塚治虫氏のみで、フジテレビのスタッフやスポンサーは誰もが反対で、放送後の評判によっては差し替えられる危機もあったとのこと。
 もちろんそんなことは杞憂に終わり、アニメも主題歌も国民的人気を博するようになるのは皆さんご存知の通りです。

 「フルーツサラダのうた」 フランスの子どもの歌ですが、歌詞の『ジョリ ジョリ ジョリ』の歌い方が難しい曲です。 『ジョリ』は、フランス語の『Jolie』『美しい』と云う意味です。 日本語だと何となく擬音語に聞こえますね。

 今日お初のお客様より、松田聖子「瑠璃色の地球」 作詞の松本隆氏の作品の中でも特に人気の高い楽曲で、非常に多くの歌手によってカバーされ、高等学校の音楽の教科書に掲載されて合唱曲としても広く歌われています。 美しい旋律も魅力的な1曲です。

 「踊り子」  よく話題にしますが、この曲をこよなく愛されているお客様がこの日はお休みでした。 でも、リクエスト者の見事なリードで、また趣の変わった「踊り子」になりました。

 Mr.Mの選曲でラストソングは「恋のバカンス」 長期お休みのハモリ姫がいてくれたら、きれいなハーモニーを付けてくれるのに、なんて話していました。 ハモリ姫、これ読んでくれるかしら?  Please come back as soon as possible ( ◠‿◠ )

 私事ですが、この4月に闘病中だった親友が逝ってしまいました。同級生の中でも一番の元気印で、バイタリティにあふれた女性でした。 中学高校の6年間は私の出身地桑名で共に過ごし、その後はずっと東京在住でしたが、結婚後もお互いの子供たちも一緒にいろいろと楽しんで来ました。 同窓会も皆勤賞でこちらに来たら必ず我が家に泊まっていた彼女も、大きな声で歌うことが大好きで、よくカラオケにも行ったものです。 「今度、歌声に合わせて帰るよ。」と言っていた彼女を偲んで、先日同級生10人ほどで追悼会をしました。彼女の好きな歌や、私との思い出の曲等10曲ほど選んで手書きの歌集を作って、録音の伴奏でミニ歌声もしましたが、「Best Friend 」ではやっぱりホロリと(ノ_<) でも、明るく楽しい追悼会になったので、きっと本人も来てたよね、と皆んな言っていました。
 この歌声サロンで歌っていてもいつも思うことですが、人生は人と人との出会いです。
 彼女には「私に出会ってくれて、私の人生にいてくれてありがとう」と伝えましたが、本当に全ての出会いに感謝です。

 ちょっと余談が過ぎましたが、次回は7月27日。もう今日です(#^.^#)
 このところの猛暑で体調を崩されている方も多いみたいです。 くれぐれも無理はなさらないで、体調と相談の上ご参加下さい。

神田陽子



 
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