2025年9月13日土曜日
土曜夜の歌声サロンラウム~ 8月23日のご報告~ 神田陽子

  8月最後の土曜歌声は、甲子園の高校野球決勝戦が終わった直後の開催となりました。

沖縄尚学の初優勝を祝して、沖縄の唄「芭蕉布」をファーストソングに選んで歌いました。
沖縄の空に爽やかな風が吹いて、凪いだ美しい海が見えるような曲です。

 リクエスト1曲目は、やはり高校野球の余韻を残してのことでしょうか? 「栄冠は君に輝く」 この夏も何度も歌いましたが、詩と言いメロディと言い、これほど高校野球に合う曲は無いでしょう。 歌っているとあたかも目の前で熱戦を観ながら応援しているみたいに気分が高揚してきますね⚾️

 「あの日にかえりたい」 ユーミンこと荒井由実(現 松任谷由実)の、1975年リリースのシングルで、TBSドラマ『家庭の秘密』の主題歌として使われました。
 ニュー・ミュージックと呼ぶにふさわしい洒落た歌詞とメロディは、人々の心を魅了し、ミリオンセラーとなりました。
 失恋ソングなのですが、過ぎ去った『青春の後ろ姿』を懐かしむ自分がいて、別れた彼に若干の未練もある… そんな揺れ動く心の描写がユーミンワールドで展開され、『あの頃の私に戻って あなたに会いたい』と歌われタイトル回収です。
 特に最後のフレーズ『帰るわ あの日に』と、倒置で表現して印象づけるところ、ユーミンのハイセンスが窺えます。

 「ランナウェイ」 珍しいリクエストでした。 1980年リリースの、シャネルズ(後のラッツ&スター)のデビューシングルです。
 元々パイオニアのラジカセ『ランナウェイ』のCMソング用に1コーラス分だけ作られたものが、反響の大きさに歌詞とメロディを付け加えて、急遽シングルレコード化されたそうです。
 『オールディーズ風の曲』と云うことで、作詞は湯川れい子、作曲はブルー・コメッツの井上忠夫が担っています。 シャネルズは顔を黒塗りにして、アメリカのドゥーワップと呼ばれる音楽スタイルで人気を博しました。

 和田アキ子「あの鐘を鳴らすのはあなた」  岸洋子「希望」の人気曲2曲を続けて歌いました。 

 「サーカスの唄」 『 木下大サーカスを観てきたので…』とリクエストされました。
1933年(昭和8年)に、東京・芝浦で開かれた『万国婦人子供博覧会』を記念して、ドイツのハーゲンベック・サーカスが来日し、日本人はこの時初めて本格的なサーカスを観たそうです🎪  このサーカスの宣伝のために作られたのが「サーカスの唄」で、古賀政男の軽快なメロディと、西條八十の洒落たフレーズで大ヒットしました。
 子どもの頃はよくテレビでサーカスの映像を観ましたが、特に空中ブランコは毎回ドキドキ、ヒヤヒヤしたものです。 クマが三輪車に乗っていたり、ピエロの玉乗りも面白くて夢中になったことを思い出します🤡 ( 『悪いことするとサーカスに売られる』なんて聞かされたものですが、今思えばかなり嘘っぽい都市伝説ですね…(^.^) )

 「お富さん」 この何とも言えず陽気な曲調の歌も度々リクエストされる人気曲です。
 歌詞の『玄冶店』とは、江戸時代に岡本玄冶と云う幕府の医師が住んだ屋敷のあった地名らしいです。 この医師は将軍家光の大病を治したことで知られており、それに因んで名付けられたそうです。

 「淡き灯(ひ)」 アルゼンチン・タンゴの名曲で、サビのメロディはよく耳にすると思います。 社交ダンスの曲として、またはギター・アンサンブルで使われることも多い曲です。
「淡き灯に」とか「淡き光に」と表示されることもあるようですが、525歌集にある新町実の歌詞で歌声喫茶などで歌われてきました。 詩を読んでみると、ちょっとシャンソンの様な雰囲気です。 リクエスト者とMr.Mに素敵にリードして頂きました。

 「手のひらを太陽に」  朝ドラ『あんぱん』も佳境に入ってきましたが、この曲が作詞 やなせたかし、作曲 いずみたくで作られたことを、このドラマで初めて知った人もけっこういるのでは無いでしょうか? (実は私も…(≧∇≦))
 『手のひらを太陽に すかしてみれば…』の歌詞では、実際に手のひらをかざしながら、自分の血管を眺めてみてはいかがでしょう? 普段は意識しない血潮を感じて『みんなみんな 生きているんだ』と、生きていることを実感できて、改めて感謝したくなる1曲です。

 「オー・ソレ・ミオ」 日本で最も知られているカンツォーネの1つですが、元はナポリ民謡で、意味は『私の太陽』 クラシックのオペラアリアでは無いのですが、多くのテノール歌手によって歌われています。 高らかに歌い上げる曲調は、クラシックの歌い手にもってこいですね。 
 またポップス・ロック歌手にも歌われることがありますが、エルヴィス・プレスリーは、「It’s Now or Never 」と英語の歌詞で歌い、この曲は全世界で2000万枚のメガヒットとなっています。

 この日は時間に余裕がありましたので、スタッフからもリクエストを取り、何曲か紹介させて頂きました。
 Mr.Mより「マリネラ」 『マリネラ』とは、『水兵』と云う意味を持つスペイン語からきていますが、ペルーを代表する伝統舞踊・ペアダンスで、ブラジルのサンバ、アルゼンチンのタンゴと共に、南米3大ダンスの1つに挙げられています。 歌っていると何だか楽しくなってくる、陽気な曲調の歌です♪(*^^)o∀*∀o(^^*)♪

 ピアニストにも『弾きたい曲で良いよ』と言ったら、ユーミンの「海を見ていた午後」をリクエスト。 確かにお気に入りの曲でしたが、歌うのはなかなか難しい(⌒-⌒; ) 美しいメロディをオリジナルアレンジで歌いました。

 私からもう1曲 「心の瞳」 故 坂本九ちゃんの最後のシングルで、今年は彼が命を落としたあの日航機事故から丸40年に当たります。 先日テレビで、夫人の柏木由紀子さんがこの曲の話をしていたのですが、当初はあまり知られていなかった曲が知らず知らず広まって、合唱曲にもなり、多くの子ども達から便りが届くようになったとのこと。今は2人の娘たちと全国を回ってこの曲を歌い、九ちゃんの想いを伝え続けていると。 それを聞いて、335歌集に入っていることを思い出し、歌声サロンでも歌い継いでいければと思いました。
 
 ここで前半終了です。 お客様からと私からのお菓子の差し入れでしばし歓談の時を。

 後半は「見上げてごらん夜の星を」でリスタート。 作詞 永六輔、作曲 いずみたくのこの曲は、元々同名のミュージカル作品の主題歌でした。 そのミュージカルの舞台美術を担当したのが、やなせたかしでした。 その事を私同様、『あんぱん』で初めて知った方もいらっしゃるのでは?  元から人気のあったこの曲ですが、詩もメロディも本当に秀逸で、いつ歌ってもどこか切ない、けれど心が温かくなる…そんな珠玉の名曲です✨

 『あんぱん』連鎖反応で、リクエストは「アンパンマンのマーチ」( ◠‿◠ ) これまでは子どものアニメ主題歌の域を出ていなかったこの曲ですが、やはり朝ドラの影響は大きいようで、『なんのためにうまれて なにをしていきるのか こたえられないなんて そんなのはいやだ!』のフレーズは、ドラマのサブタイトルにもなり、全編を通してのテーマにもなっており、大人の心にも深く響いたようです。
 ドラマでもようやくアンパンマンが誕生しましたが、かっこ悪いおじさんヒーローは、まだまだ子供たちに受け入れらてはいません。 『あなたはいずれ国民的人気者になるよ。』と言ってあげたくなりますね(๑>◡<๑)

 「タッチ」 定期的にリクエストされるこの曲。 スタンディング・パフォーマンスで、歯切れ良くハイテンポの歌をノリノリで歌って、気分上々⤴️⤴️⤴️ 心地よい汗をかきました💦

 「虹色の湖」 これも珍しいリクエストでしたが、1967年リリースの中村晃子の7枚目のシングルで初のヒット曲でした。 この頃音楽界を席巻していた『一人G.S.』風の編曲・演奏で、同年に中村晃子が出演した映画『進め!ジャガーズ敵前上陸』では、主演のザ・ジャガーズをバックに本曲を歌っているので、グループ・サウンズ風歌謡曲とも言えるでしょう。 ピアニストだけがあまりよく知らない中、皆さん良くご存知で完璧に歌われていました♪( ´▽`)♪

 「雪の降る町を」 この猛暑の季節に、雪の降っている様を想像しながら歌うと、心なしか涼しくなったように思えますね❄️ 余韻の残るラストが素敵な1曲です。

 「空に星があるように」 とても綺麗な曲ですが、微妙にメロディが変わる難しい1曲です。 優しい曲調で、美しい旋律はロマンティックなムードへ誘(いざな)います。

 「燦(きら)めく星座」  スイートなタイトルとはイメージの違う曲調ですが、1940年(昭和15年)発売の、灰田勝彦歌唱の昭和歌謡です。 高峰秀子主演の『秀子の応援団長』の挿入歌で、高峰が歌った主題歌『青春グラウンド』のB面でしたが、ワンシーンで使われただけのこの歌の方が人気が出たそうです。
 しかし、時は日中戦争の真っ最中。 軍部から歌詞が軟弱だとクレームが入り、1943年には少し軍事色の強い歌詞に変えたバージョンが、同じく灰田勝彦が歌った「ジャワの夕月」のカップリングとして発売されました。

 「旅愁」 これも珍しいリクエストでした。 よく歌われる唱歌の「旅愁」の方を思い浮かべた方も多いのでは?と思いますが、これは西崎みどりの歌った歌謡曲です。 
 中村主水の必殺シリーズ第4弾『暗闇仕留人』の主題歌で、これを歌った西崎みどりは、必殺シリーズ音楽担当の平尾昌晃の秘蔵っ子で、当時は14歳の中学生でした。 哀愁漂う切ない旋律が心に残る1曲です。

 「ほたる」 335歌集の人気曲の唱歌で、季節柄よくリクエストされます。 1番『ほ、ほ、ほたるが 灯をともす』 2番『ほ、ほ、ほたるが 飛んで出る』 3番『ほ、ほ、ほたるが 飛んで行く』のメロディは、蛍の様子を可愛らしく歌っています。 『大まり小まり』とは、蛍の群れ飛ぶ様子を丸い『鞠』に例えています。 名古屋近郊でも蛍の飛び交う場所がけっこうあるみたいですね?

 「ナポリは恋人」 これも人気のあるカンツォーネで度々リクエストされます。 ムーディーな曲で、甘いメロディが夢見心地にさせてくれる… そんな1曲です。 本家はジリオラ・チンクエッティのヒット曲ですが、日本では、弘田三枝子や伊東ゆかりが歌っています。

 「北の旅人」 1987年に死去した石原裕次郎の生前最後に録音された数曲の中の1曲で、死後追悼版として発売されました。 
 北の街を旅する男の心情が切々と伝わってくる、いかにも裕次郎らしい歌謡曲ですね。
リクエスト者の素敵なリードで歌いましたが、男性陣は全員『ゆうちゃん』になっていたような?( ◠‿◠ )

 スタッフリクエスト・タイム。 Mr.Mからは、「ろくでなし」 お馴染みのシャンソンを軽やかに歌って、ピアニストからは『今日、赤ちゃんに会ってきたので…』と「こんにちは赤ちゃん」をリクエスト。 因みにその赤ちゃんとはピアニストの兄の長男で、彼女の甥っ子です👶 
 私から「Moon River」 1961年公開の映画『ティファニーで朝食を』の劇中歌で、主演のオードリー・ヘプバーンが歌って大人気となった曲です。 作曲のヘンリー・マンシーニは、「ひまわり」「ピンク・パンサーのテーマ」「酒とバラの日々」「シャレード」など、数々の素晴らしい映画音楽を作っています。
 この曲は、のちにアンディ・ウイリアムズが歌って大ヒットしたので、アンディの曲として認知されてきましたが、ヘンリー・マンシーニは『「Moon River」は、オードリーのために書かれた曲で、彼女以上にこの曲を完璧に理解した人はいない。』と語っており、映画でオードリーによって歌われたものこそが文句なく最高の「Moon River」だと云うスタンスは終生変わらなかったそうです。
 小田和正も中学の頃に『ティファニーで朝食を』を観て感動し、初めて自分の小遣いで買ったレコードが『Moon River」だと言い、音楽の道を志すきっかけになったそうで、アルバム『BETWEEN THE WORD & THE HEART 』でカヴァーしています。 それほどに人の心を打つ名曲と言えましょう。

 ラストソングはMr.Mの選曲で、「愛の讃歌」    
 ラストを飾るのに相応しいドラマティックな曲です。 語りかけるように歌われるシャンソンですから、無理に合わせて歌おうとせず、各々が好きなように気持ちを込めて歌って頂ければ、とお声掛けして歌いました♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪

 この日もたくさんの曲を歌いましたが、お初曲は無かったものの、お久しぶりの曲、珍しい曲がリクエストされたので、未知の曲を知れた良い機会だったのでは無いでしょうか?
これも歌声サロンの魅力の1つだと思います。

 先日『プロの音楽家たちが選ぶ最強メロディ』と云う番組で、メロディに特化して音楽のプロ93人が選んだベスト50を、2000年以前と2000年以降に分てそれぞれ発表していました。
 ベスト5を参考までに載せておきます。

  2000年以前  1位 ロビンソン(スピッツ)
          2位 異邦人(久保田早紀)
       3位 ラブストーリーは突然に(小田和正)
4位 ルビーの指輪(寺尾聡)
5位 First Love (宇多田ヒカル)

  2000年以降  1位 TSUNAMI (サザンオールスターズ)
2位 粉雪(レミオロメン)
3位 Pretender (Official 髭男dism)
4位 白日(King Gnu)
5位 Everything (MISIA)

  
 2000年以前の「異邦人」「ルビーの指輪」は、当サロンでもよくリクエストされますし、「ロビンソン」は、洋楽中心の『ラウム100』歌集に収録されています。 嬉しかったのは、2000年以降の1位が「TSUNAMI 」だったことで、これも335歌集に入っていますので、またリクエストして頂きたいと思います。

 さて、次回は3週間後の9月13日… ですが、実はもう本日です( ̄▽ ̄;) 3週間の早いこと! 毎度毎度お決まりの遅筆で申し訳ありませんʅ(◞‿◟)ʃ お天気が不安定ですが、皆さまのお越しをお待ちしています。 くれぐれもお気を付けていらして下さいね(*^^*)

                                 神田陽子



 
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