2026年2月13日金曜日
土曜夜の歌声サロンラウム~ 26年1月24日のご報告~ 神田陽子

  ミラノ・コルティナ冬季五輪が開幕して、スポーツ観戦はもはや趣味と言っても良い私。 8時間の時差もなんのその、毎晩睡魔との、こちらも熱戦(笑)が続いています。 ほぼ睡魔の辛勝 ですが、フィギュア団体戦では、素晴らしい演技の数々に眠気も吹っ飛んで感涙にむせんでおりました(´༎ຶོρ༎ຶོ`)


 前置きはさておき、1月24日の土曜歌声の模様をレポートしていきます。 
 この日も大寒波の襲来で冷たい風が体温を奪っていく酷寒の中、来てくださったお客様と共に気持ちだけでも暖かくなるようにと「たきび」をファーストソングに選びました。 
 『あたろうか あたろうよ』と、ほのぼのとした歌詞が印象的ですが、この曲は1941年(昭和16年)、まさに太平洋戦争勃発の年に作られました。 ところが、戦時下『落ち葉は風呂焚きに使える』『たき火は空襲の目標にもなる』との軍からのお達しで、この歌も禁止されてしまいました。 戦後はGHQが『たき火は暴動を誘発する恐れがある』と言ったことで自粛され、2001年には廃棄物処理法で『野焼き』が禁止されたので、今ではこの歌のように街角でたき火を楽しむことはできなくなってしまいました。 時代錯誤的な歌ですが、童謡としてはいつまでも残したい1曲です🔥

 リクエストは「坊がつる讃歌」 1978年にNHK『みんなのうた』で芹洋子が歌いました。 元は1952年(昭和27年)に、九州大学の学生たちが大分県九重連山の『坊がつる』の山小屋で、広島高等師範学校の山岳部の「山男の歌」をベースに作った替え歌に由来しているそうです。 ゆったりとした曲調からは、山男のロマンが感じられます。

 「スキー」 前曲から山を連想させますが、こちらは一転して軽快で速いテンポの曲なので、歌っているとそのスピードも体感できる気がします。冬季オリンピックの花形種目、アルペン競技も楽しみですね⛷️

 「思い出のグリーン・グラス」 美しく覚えやすいメロディは、誰もが知っていると思われる曲です。 山上路夫の日本語歌詞は、都会で夢破れ、故郷へ戻った私を迎えてくれる、パパ、ママ、そして彼。 昔と変わらぬ我が家、樫の木… そんな郷愁の歌です。 けれど、原曲のオリジナル歌詞は衝撃的なエンディングをむかえます。 英詞と訳詞を載せておきます。
 
 Then I awake and look around me At the four grey walls that surround me And I realize, yes, yes, I was only dreaming
( そして目が覚めて見回すと、四方には僕を囲んでいる灰色の壁。そこで気付く。そうだ、そうだ、僕はただ夢を見ていただけなんだ。)

For there’s a guard And there’s a sad old padre Arm in arm we’ll walk at daybreak Again I touch the green, green grass of home
( なぜなら看守がいるし、悲しげな老神父もいる。夜明けには腕を取られて歩いて行くだろう。また僕は故郷の青々とした芝生にふれるんだ。)

Yes, they’ll all come To see me in the shade Of that old oak tree As they lay me neath The green, green grass of home
( そうだ、みんな僕に会いにやって来るだろう。 あの懐かしい樫の木の木陰で、彼らは僕の亡骸を横たえるんだ。 故郷の青々とした芝生の下に。)

 この歌は、死刑囚が執行前に見た夢を綴ったものでした… 『見果てぬ夢』… そんな言葉が浮かびます。

 ダーク・ダックス「銀色の道」 五輪真弓「恋人よ」 西ドイツの同名映画の主題歌「白銀は招くよ」 中島みゆき「時代」 西田佐知子「エリカの花散るとき」 長渕剛「乾杯」の、様々な曲調の6曲を続けて歌いました。
 どれも人気曲ですが、特に「白銀は…」は、今回の五輪開催地コルティナ・ダンペッツオで70年前に開催された冬季オリンピックで、三冠に輝いたトニー・ザイラーが主演している映画なので、タイムリーなリクエストでした。

 この日は時間に余裕があったので、スタッフからも色々な曲を紹介させて頂きました。 なにせ3冊の歌集にはおよそ1000曲収録されているので、まだ1度も歌っていない曲や、めったに出ない曲など、レアな曲を掘り出してやるのも必要と思います。 思わぬ掘り出し物が、誰かのお気に入りになるかも知れません。

 Mr.Mからは「ラ・クンパルシータ」 アルゼンチンタンゴの名曲ですが、おそらく土曜歌声ではお初披露では無いでしょうか?  
 ウルグアイのヘラルド・エルナン・マトス・ロドリゲスが17歳の時に作曲した曲で、当初は行進曲のつもりで作られたそうです。 その後タンゴとして、アルゼンチンのロベルト・フィリポ楽団が中間部を付け加え、カーニバルに参加する仮装行列のために再構成して作曲し直しました。 「ラ・クンパルシータ」という曲名は『小さな仮装行列』と云う意味です。 
 この曲はABACAによるロンド形式で、多種多様なアレンジで演奏されています。 行進曲から生まれたからでしょうか? テンポ良く刻まれたリズムで始まり、情熱的な曲調から哀切なムードに移っていくメリハリのある名曲です。 また余談になりますが、私の亡き父はこの曲が大のお気に入りでよくアコーディオンで弾いていたので、私も幼い頃からメロディには馴染んできましたが、歌詞があるとは知りませんでした。

 ここで前半終了です。お客様からの差し入れを頂きました( ◠‿◠ )

 後半は、私からの紹介曲「さらば青春」でリスタートです。
 先日NHKの『SONGS』に作者の小椋佳さんが出ていて、この曲でデビューした頃のお話をされていました。 82歳の現在も歌手活動をされていますが、一度は引退も考えたそうです。 『なぜ続けているのか?』の問いに、『長く歌手を続けていても満足に歌えることは少ない。けれど、たまに自分でも上手く歌えたと思える時があって、それを味わうために歌い続けている。』と云うようなことを話されていました。 それを聞いてプロの歌手の真髄を感じました。 日本語の美しさを大切にされていることも、数々の名曲を聴けば納得ですね。

 リクエストは 「死んだ男の残したものは」 作詞 谷川俊太郎、作曲 武満徹による反戦歌です。 詩の内容は深くて、戦争のもたらす空しさを淡々と語っています。 武満徹の退廃的で気怠い雰囲気を持つ旋律が、その空虚さをより際立たせているように思えます。

 「歌えバンバン」 「ケ・サラ」 「陽気に生きようこの人生をさ」 渚ゆう子「京都慕情」 「灯台守」 「Believe」 よくリクエストされる6曲を続けて歌いました。 どれもよく歌う曲なので、皆さんの歌声も一段と響いていました♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪

 「マリモの歌」 1953年(昭和28年)、雑誌『平凡』による歌詞の一般公募で当選した1篇に曲が付けられ、『コロンビア全国歌謡コンクール』の課題曲として発表されたそうです。 
 阿寒湖に伝わるアイヌの悲恋をモチーフに、緑のマリモを涙の結晶として描写しています。 『晴れれば浮かぶ水の上 曇れば沈む水の底』と云うフレーズは、マリモの生態を恋の悲しみに擬(なぞら)えて歌っています。 八洲秀章による哀愁漂う旋律は、その後安藤まり子が歌って大ヒットし、後に芹洋子もカヴァーしています。

 「荒城の月」 誰もが音楽の時間に習っていつのまにか覚えていた曲でしょう。 作詞 土井晩翠、作曲 瀧廉太郎のこの曲は、日本で作曲された初の西洋音楽の歌曲と言われ、日本の音楽史上重要な曲とされています。
 1901年(明治34年)に、旧制中学校唱歌の懸賞応募作品として選ばれた土井晩翠の詩に、東京音楽学校の瀧廉太郎が曲を付けて作られました。 原曲は無伴奏の歌曲で、『中学唱歌集』に収められました。
 その2年後、1903年(明治36年)に、瀧廉太郎は23歳の若さでこの世を去ります。 その後1917年(大正6年)、山田耕筰は原調のロ短調から短三度上のニ短調へ移調、ピアノパートを補い旋律にも改変を加えてアレンジしました。今日歌われている「荒城の月」はこれが元になっています。
 七五調の歌詞(今様形式)で書かれた土井晩翠の詩も比類なき素晴らしいものです。 かつては栄華を誇った城も今は荒涼たるありさまで見る影もない。 そんな『栄枯盛衰』『諸行無常』をテーマにしており、
むかしの光 いまいずこ』と詠っています。 最後のフレーズ『ああ荒城の夜半の月』は、荒れ果てた城に上る月の光は変わっていないのに… と詠嘆しているように思えます。

 格調高いラストリクエストの後はガラッと雰囲気を変えて、私から「横須賀ストーリー」を紹介させて頂きました。 『これっきり これっきり もうこれっきりですか…』で始まる、1976年リリースの山口百恵のシングルです。 この曲は作詞 阿木燿子、作曲 宇崎竜童のコンビが担当していますが、これは山口百恵自身のたっての願いで実現したそうです。 これ以後もこの夫妻は山口百恵に多くの楽曲を提供していきますが、この「横須賀ストーリー」はそれまでのアイドル路線から脱却するきっかけになった曲で、80万枚以上の大ヒットを飛ばしました。 いわゆる『かっこいい』曲ですね٩(๑❛ᴗ❛๑)۶

 ラストソングは、Mr.M選曲の「幸せを売る男」で賑やかにお開きとなりました。 
 
 次回は3週間後の2月14日。 『バレンタイン・デー』なので、何かお楽しみがあるのでは?( ◠‿◠ ) なんて期待させておいて… ご期待に応えられるかな?
 『立春』も過ぎて春の気配も少しは感じられるでしょうか? 予報では暖かいみたいですが… 異常気象に負けぬよう、心身共に健康であらねばなりませんねᕦ(ò_óˇ)ᕤ

では、お元気で歌いにいらしてください。
お待ちしております(#^.^#)
 
                                                           神田陽子



 
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