2023年3月16日木曜日
土曜夜の歌声サロンラウム~ 3月11日のご報告~ 神田陽子

  たくさんのお客様に来て頂いたこの日、3月11日。 奇しくも東日本大震災から12年。

あの日あの時を皆さんはどこで過ごしていたのでしょうか?  選んだ曲は「花は咲く」 一瞬にしてそれまでの日常を奪われた人々のことを決して忘れてはならないと云う想いで、この歌を歌い継いでゆきたいと思います。

 リクエスト1曲目は、335歌集の「翼」 世界の武満徹の作詞 作曲で、変化に富む曲調と、観念的な歌詞が相まってどこか幻想的な曲に感じられます。

 打って変わって可愛らしい「子鹿のバンビ」 皆さんのお顔が童心に戻っている様でした。 童謡を歌えることを味わえるのも歌声サロンならではですね( ◠‿◠ )

 「花かげ」 これも童謡の範疇に入るのですが、美しい日本語の歌詞が切ないメロディに彩られて泣かせる1曲です。

 「星に祈りを」 何年かぶりにお越し頂いたお客様からのリクエストでした。 ラブリィな恋の唄です。

 「踊り子」 この曲が大のお気に入りのお客様から。 川端康成の「伊豆の踊り子」をモチーフにしている文芸歌謡と呼ばれる歌のひとつです。

 「なごり雪」 こちらも久方ぶりの女性客からのリクエスト。 この時季の定番ソングですが、別れの汽車が出てゆくホームに名残りの雪が舞っている情景が目に浮かびますね。

 「鉾をおさめて」 珍しいリクエストでしたが、リクエスト者初め、よくご存知の方々が元気よく歌って下さいました。 作詞の時雨音羽は著書の中で「この歌は鯨とりの歌だが、人々の青春、故郷の母に捧げる歌でもある。」と語っているので、いろんな想いのこもった歌なのでしょう。

 「異国の丘」「早春賦」と歌い、次曲は「3月9日」 335歌集の1曲ですが、2005年リリースなので、ラウム歌集の中では最も新しい部類に入るでしょう。 近頃の卒業式ではよく歌われるそうですが、毎年この頃にリクエストして頂くので少しずつ浸透して来た様に思います。

 卒業つながりでしょうか? お次は「贈る言葉」  ふつうプレゼントは「物」で贈ったり貰ったりしますが、「言葉」の贈り物は特別です。 心に残る「言葉の贈り物」を、贈ったり贈られたりする関係性って素敵ですね(๑>◡<๑)

 「心はいつも夜明けだ」 労働に勤しむ若者たちが、お互いに励まし合って頑張っている姿が見える気がします。 3番の(そうだ!きょうもガンバロー!)は、歌うのではなく掛け声になっているのでリアル感が高まります。

 滝廉太郎の「花」 いつもの通り即席合唱団でも、二部合唱がバッチリ決まります♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪

 「影を慕いて」「卒業写真」とお馴染みの歌2曲に続いてのリクエスト者は、ラウム草創期からの女性のお客様。 「十何年ぶりの参加です。 ロシア民謡でも良いのでしょうか?」と、ご遠慮がちな上品なマダム。 「もちろんです!」と促して出された曲は「カリンカ」
ロシア民謡の代表的なこの曲。 メロディはよく知っていましたが、全曲しっかり歌ったのは、私は初めてだったかも知れません。

 ここで前半終了。 

 今夜はお客様大勢なので紹介曲は割愛させて頂き、後半リクエストスタートです。

 「私の子供たちへ」 岐阜県出身のフォークシンガー、笠木透氏の作詞 作曲。 歌っているとだんだん優しい気持ちになって来ます。

 「微笑がえし」 今までスローテンポの曲が多かったので、いきなりのアップテンポの曲は新鮮で何だか「若がえり」もできたような、、、(笑) キャンディーズのラストシングルで、それまでのヒット曲の歌詞が織り込まれています。 作詞は、阿木耀子さんでした。

 「パリの屋根の下」 ラウム歌集第1集には収められていたそうですが、今は入っていません。 今回たってのご希望で歌詞を用意してくれたMr.Mと、何でも弾いちゃうピアニストのリードで歌いました。 同名のフランス映画のテーマ曲で、ロマンチックでムーディな1曲です。

 「あなたの心に」 中山千夏さんのヒット曲ですが、作詞はご本人。作曲はヒットメーカーの都倉俊一氏。 とても爽やかな曲です。 

 「山のけむり」 2番に出てくる「はろけさ」とは「遥か」の古語で、「はるか遠い」と言ったところでしょうか。

 「あなたが夜明けをつげる子どもたち」 作詞は先ほど歌いました「私の子どもたちへ」 の笠木透氏。 この歌も子どもたちへの愛で溢れており、歌っていると胸の奥がジーンとしてきます。 笠木氏は、国内初の野外音楽フェスティバル「中津川フォークジャンボリー」を企画、制作したことでも知られています。

 「翼をください」「夕陽が泣いている」 に続いてのリクエストは「淋しいアコーディオン」 ロシア歌曲なのですが、メロディラインが何となくシャンソン風なのは、アコーディオンがフィーチャーされているからでしょうか? フランスのシャンソン歌手、イヴ・モンタンもカバーしているそうです。

 「果てもなく荒野原」 これもロシア民謡ですが、近ごろよくリクエストされるのでもう皆さんしっかり覚えて歌われています。

 「バラが咲いた」 日本のフォーク・ソングの先駆けとなった曲です。 作詞 作曲は浜口庫之助氏。 歌唱はマイク眞木でヒットしましたが、後に「みんなのうた」など音楽番組でも広く歌われています。 ロシア、サンクトペテルブルクにある、ロシア国立第83中等学校の校歌にもなっているとは驚きです。

 「青春」 歌声喫茶でよく歌われていた1曲です。 純粋な若者の心情が吐露されている歌詞を、高いキイにもかかわらず、きれいなお声でリクエスト者が歌い上げて下さいました。

 「ステンカラージン」  お馴染みのロシア民謡。 男性陣中心に高らかに歌いました。 

 「箱根山」 珍しいリクエストでしたが、夭折の滝廉太郎が作曲した勇猛果敢な楽曲です。これも男性陣の大声量が響き渡りました。

 「しあわせの歌」 これも歌声サークルなどで長く歌われてきた曲のようで、日本の復興を支えて一生懸命働き、平和を訴えていた若者たちの愛唱歌でした。

 ラストリクエストは「恋はみずいろ」 フレンチポップスと呼ばれるこの曲は、ポール・モーリアのイージーリスニング版が人気を博しましたが、日本語では森山良子が歌っています。 

 今夜は予定時間をオーバーしていましたが、最後に今この時季にしか歌えない「仰げば尊し」を、皆さんご起立願って歌いました。 
 今夜も30曲以上歌いましたが、お互い未知の歌もある中、この歌の時だけは全員が歌詞も見ずに、それぞれの卒業時を思い出されているかの様に歌われていました。 感動的なエンディングになったと思います。

 今月は変則的なので、次回は1週間後の3月18日です。 25日の第4土曜日はお休みになります。 次々回は4月8日開催です。少し間隔が空きますので、お間違え無いようよろしくお願い致します。

 18日は目前ですが、この日だけお天気下り坂の予報。 少し肌寒いようなので、服装にも気をつけていらして下さい。

                                 神田陽子



 
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