2025年2月8日土曜日
土曜夜の歌声サロンラウム~1月25日のご報告~ 神田陽子

  インフルエンザ、コロナ、胃腸風邪…etc. 各種の感染症が席巻していたこの日、やはり体調不良のため欠席のお客様もあってやや少人数での開催となりましたが、人数の多寡に関わらず歌う曲数は同じ、いや少し多めになるくらいです。


 三浦洸一さんが97歳で天寿を全うされた、と云うニュースが入ってきましたので、彼のヒット曲「踊り子」と「東京の人」を続けて歌って追悼致しました。
 「踊り子」と言えば、ラウムでは『この方』と目に浮かぶお客様がいらっしゃいます。
ここしばらくお顔を見ていないので、歌って頂こうとご連絡差し上げましたが、冬の間はお休みされるとのことでした。 代わって皆さんの歌声が響きました。 

 ファーストリクエストは「北上夜曲」  『匂いやさしい 白百合の…』で始まる甘く切ないこの曲は元々昭和16年に誕生したのですが、軍歌全盛の時局にそぐわないと思われ、作者不詳のまま口伝えに歌い継がれて、昭和30年代の中頃には全国の歌声喫茶で歌われていたそうです。 
 昭和36年に作者が名乗り出て、それが当時18歳の菊地 規(のりみ) 作詞、17歳の安藤 睦夫作曲と判ったことで大きな話題となり、多くの歌手によって歌われるようになりました。

 「旅愁」 誰もが音楽の時間に習った覚えのある楽曲でしょう。 原曲は、アメリカ人作曲者 ジョン・P・オードウェイが、1868年に作った「Dreaming of Home and Mother」で、本国ではほとんど忘れ去られた曲らしいのですが、日本では「旅愁」、中国では「送別」の題名で広く歌われてきました。 1868年は日本では明治維新の年に当たります。

 「君をのせて」 1986年のジブリ映画『天空の城ラピュタ』のエンディングテーマとして制作された楽曲です。 16年後にメロディは同じで、歌詞は16年経った主人公パズーの視点で書かれた「君をつれて」を、米米CLUBの石井竜也が歌っていますので、一度聴いてみてはいかがでしょう。

 「故郷を離るる歌」 ドイツ民謡を元に、吉丸一昌が翻訳・訳詞して、1913年に『新作唱歌 第五集』に発表されて以来広く愛唱されてきました。 
『さらば故郷 さらば故郷 故郷さらば』の歌詞は原曲メロディにとてもマッチしていますが、原民謡ははっきりしないようで、「Der letzte Abend (最後の夜)」か、「Abschied (別れ)」が原曲だと言われています。

 「ただ一度の贈り物」 オーストリアの宰相メッテルニッヒが諸国の代表を招いて開いた『ウィーン会議』 その長引く会議の隙を縫った、ロシア皇帝・アレクサンドル1世と、ウィーンの街娘との逢瀬を描いた映画『会議は踊る』の主題歌で、ジブリのアニメーション映画『風立ちぬ』でも挿入歌として使われています。 軽やかなメロディは、夢のような儚い恋を見事に演出しています。

 「河は呼んでいる」 この曲も近頃よくリクエストされます。 1958年公開の同名フランス映画の主題歌で、作詞 作曲のギー・べアール自身がギターの弾き語りで歌って、世界的にヒットしました。 歌詞の『かわいいオルタンス』はこの映画のヒロインです。

 「オー シャンゼリゼ」 お馴染みのシャンソン。 明るく陽気なこの曲を歌っていると気分も上々⤴️ Mr.Mのリードで、楽しく歌いました♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪

 「なごり雪」 ちょうどこれを書いている今、列島は大寒波に襲われて各地で大雪の被害が出ています🌨️ ドカ雪では『なごりの雪』とはいかず、深刻で迷惑この上無いことでしょう。 この曲はたぶん春3月。別れのホームにチラチラと降る、直ぐに消えてしまう儚い雪なので詩になるのでしょう。

 「北国の春」 今大雪で大変な北国の地域にも春はやって来ます。 そんな故郷の遅い春を想いながら『帰ろかな 帰ろかな』と逡巡しているこの人は、帰って行ったのでしょうか? (千昌夫のあのスタイルは、帰省途中の格好?)

 「にじいろ」 これは珍しいリクエストでした。 朝ドラ『花子とアン』の主題歌で、シンガー・ソングライターの絢香が歌いヒットしました。 
『なくしたものを数えて 瞳閉ざすよりも あるものを数えた方が 瞳輝き出す』の歌詞がとても心に残ります。 前向きになれる素敵な1曲です。

 「みずいろの雨」 サンバ系のリズムで歌われるこの歌は音域がとても広い曲です。 おそらく原調では高音部が出ないのでキィを変えて歌っています。 
 『みずいろの雨』は悲しみや後悔の象徴として使われているようで、悲しみにどっぷりと浸かっている感じがします。アップテンポで歌っているので、あまり暗さは感じませんが… この曲は、ニール・セダカの「 Hot And Sultry Nights 」の盗作との噂があるので、ちょっと聴いてみましたが… なるほど、リズムやイントロはそっくり、かも?(^^;;

 「星空のディスタンス」 THE ALFEE の1984年の楽曲で、昨年の紅白歌合戦でも演奏されました。 ドラマ『無邪気な関係』の主題歌だったそうで、どんなに物理的な距離(ディスタンス)があろうとも2人は心で繋がっている、と云うテーマが込められているそうです。

 「下町の太陽」 倍賞千恵子の初々しく、透明感のある歌声が素敵なデビュー曲で、後に同名の映画も彼女の主演で作られました。 当時はこのように最初に曲がヒットして、それをモチーフに作られた歌謡映画が多くありました。 『東京キッド』『銀座の恋の物語』なども、曲が先行して作られた作品です。

 「Love Love Love」 素晴らしい発音でリクエスト頂きましたこの曲、DREAMS COME TRUE の大ヒット曲で、これも話題になったドラマ『愛していると言ってくれ』の主題歌でした。 
 イントロがバロックの音楽のようで、カスタネットの裏拍もお洒落なこの曲は、元々作曲の中村正人が、当時の彼女へのバレンタインデーのお返しに作った「ホワイトデー」と云う曲だったとか。 それを吉田美和がドラマのために歌詞を書き換えて作り直したそうです。
 『ルルルルル』の部分は元は歌詞があったそうですが、吉田的には秘めた想いを表す『ルルルルル』しかあり得ない、と言っています。 ちなみに後に判明した当初の歌詞は、『素肌に着て』と云うもの… う〜ん、吉田美和の感性に軍配ですね!

 ここで前半終了。 しばしご歓談の時(#^.^#)

 後半はいきなりリクエストでリスタート。

 坂本九「見上げてごらん夜の星を」 三橋美智也「古城」 石田あゆみ「ブルー・ライト・ヨコハマ」 トワ・エ・モワ「ある日突然」 はしだのりひことシューベルツ「風」
昭和の名曲を5曲続けて歌いました。 度々リクエストされる曲目たちですが、どの歌も歌っているとその時代を思い出せてタイムスリップしてしまいます。

 「おお牧場はみどり」 誰もが知っているこの曲、元はスロバキアやチェコの農村地帯で古くから親しまれていた民謡でした。 
 19世紀末から20世紀初頭にかけての移民によってアメリカにもたらされ、牧場での集団労働を賛美する「Ah, Lovely Meadows (ああ、美しい牧場)」に改作されました。 
 日本では、大正期に渡米留学した牧師の中田羽後が、このアメリカ版を下書きに「ああ牧場はみどり」として作ったものが、第二次世界大戦後にうたごえ運動の隆盛を背景に、全国の歌声喫茶で歌われるようになったそうです。 
 1961年4月に始まったNHK『みんなのうた』の第1回放送の最初の歌として紹介されましたが、その時に「おお牧場はみどり」に改められ現在に至っています。

 「サンタ・ルチア」 この曲は、伝統的なナポリ民謡(カンツォーネ・ナポリターナ)で、テオドロ・コットラウが編曲して世に出しました。 
 『ボルゴ・サンタ・ルチア』と云うナポリ湾に面した絵のように美しい波止場地区を讃えると共に、舟遊びの楽しさを歌ったバルカローレ(舟唄)です。

 「囚人の歌」 タイトルに似合わず美しいメロディの曲です。 原曲はロシアの古い民謡で、それを音楽家のレイブ・ポルナレフが採譜・編曲し、作家で政治家のモーリス・ドリュオンや、ジャーナリストのジョセフ・ケッセルがフランス語の歌詞を付けたそうです。  
 日本語の歌詞は、このフランス語の歌詞をほぼ忠実に翻訳しているみたいで、うたごえ運動の定番曲でした。 このレイブ・ポルナレフの息子が、「シェリーに口づけ」「愛の休日」などで有名な、ミッシェル・ポルナレフです。

 「フランチェスカの鐘」 作詞 菊田一夫、作曲 古関裕而、歌唱 二葉あき子で、1948年に発売されたこの曲は、最初は男女の別れ歌のイメージで、1番と2番の間に菊田の妻・高杉妙子による次の台詞が入れられていました。

 『フン… 何でもないわあんな人、好きじゃなかったんだもの… 修道院へ入るなんてバカねえ、あの人… だけどなんだってこの胸がこんなに… やっぱりあの人を… そんな事ないわ、そんな事… ハハハ…ハハハ…』
 
 確かに、男女の失恋の歌以外の何物でも無いような… (しかも修道院…って?)

 けれども翌年に同名の映画が作られ、再発売された時にはこの台詞はカットされ、広島の原爆で亡くなった人への鎮魂歌の意味合いが強くなっていきました。 
 二葉あき子は広島で多くの友人・知人を亡くし、自分もあわや原爆の惨禍に巻き込まれそうになった経験をしており、自分だけが生き残った罪悪感に自分を責めたと言われています。 そんな想いから、彼女はこの歌を鎮魂歌として終生歌い続ける決心をしたそうです。

 「冬景色」 作詞 作曲共に不詳ですが、初出は1913年発行の『尋常小学唱歌教材第5学年用』で、以来小学校で習う必修曲のひとつとなっています。 2006年には『日本の歌百選』にも選定されました。
 文語調の美しい歌詞は、1番が朝、2番が昼、3番が夕暮れから夜の光景を表していて、歌っているとその景色が浮かんでくるようです。

 ロシア民謡「カリンカ」と、フォークソングの代表曲の1つ「翼をください」を続けて歌いましたが、どちらも高音域のロングトーンがあり素晴らしい曲ですが、大声量が要求されます(^◇^;)

 ラストリクエストは「やさしさに包まれたなら」 荒井由実(ユーミン)の1974年リリースのヒット曲ですが、元は不二家ソフトエクレア(私、これ大好きでした😍)のCMのタイアップ曲として作られたそうで、タイトルの『… に包まれたなら』は、ソフトエクレアがキャラメルクリームで包まれているお菓子なので、そこからこのタイトルになったとユーミンが語っています。
 1989年、ジブリ映画『魔女の宅急便』のエンディングテーマソングとして使われると、再び脚光を浴び、幅広い世代の知る人気曲となったのです🧙‍♀️🧹

 この曲でこの日はお開きとなりました。 ほぼ30曲を歌い切って、心地良い疲れと共に免疫力のアップも果たせたのではないでしょうか?٩(^‿^)۶

 次回は2月8日。 はい、またもう本日です(汗)
 折しも列島は今季一番の大寒波に見舞われています🌨️ 🌨️ 名古屋も雪が降るとの予報⛄️ (積もらないと良いのですが… 積もっても夕方までに解けて下され🙏)
 
 お越し頂ける皆さま、くれぐれもお気を付けていらして下さいね(*^▽^*)

                              神田陽子



 
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