2026年3月28日土曜日
土曜夜の歌声サロンラウム~ 26年3月14日のご報告~ 神田陽子

   ようやく春らしい日和になり、この日も土曜歌声は楽しく開催されました。 

 世は卒業シーズン。 着飾った親子や袴姿のお嬢さん方の姿を、街中で見かけることもしばしばです。 この季節にはやはり卒業のイメージの歌を歌いたくなります。 そんな訳でファーストソングには、「卒業写真」を選びました。 この曲の中の『あなた』は作者のユーミンの高校の美術部の恩師だそうですが、皆さんそれぞれの『あなた』を思い浮かべて歌ってみてはいかがでしょう?

 『もう終わってしまいましたが…』と出されたのは 「うれしいひな祭り」 ちょうどその前日に、4歳の孫娘が言葉もたどたどしく歌っていたので一緒に歌おうとしたら、『ひとりでうたうから うたわないで!』と拒否られてしまい、何とも珍妙な歌を聞かされたところでしたから、仕切り直しに嬉しいリクエストでした。🎎

 「北へ」 小林旭の1977年リリースのシングルです。 歌謡曲には珍しい3拍子の曲で、優しいムードの旋律で歌われます。 『名もない港に 桃の花は咲けど…』のフレーズから、季節は初春だと思われますが、失恋した男はあえて北へ向かうのですね。

 「どこかで春が」 この日は『春』の歌がこの後もたくさんリクエストされましたが、これはまさに春の訪れを感じられる1曲です。 大正12年(1923年)に、雑誌『小学男生』に掲載された百田宗治の詩に、後に草川信が曲をつけて生まれた唱歌です。 『山の三月 東風(こち)吹いて…』の部分は短いサビでしょうか? ここだけメロディが変わり、曲のアクセントになっています。 
 『東風』と書いて『こち』と読むのを知った歌でもありますが、『東風』は冬の季節風が終わって早春に東から吹く風のことで、春の季語にもなっており、
菅原道真の有名な和歌 『東風吹かば にほひおこせよ梅の花 主なしとて 春な忘れそ』にも出てきます。 

 「春の日の花と輝く」 これも日本語のタイトルでは一見『春』の歌のように思われますが、トーマス・ムーアの原詩では美しい愛の歌となっています。堀内敬三の文語調の歌詞も旋律によく合っていて、歌っていると胸の奥がほんのりしてくる気がします。

 「赤いスイートピー」 松田聖子の大ヒット曲で、作曲の呉田軽穂とは松任谷由実のことですが、他の人への楽曲提供時にこの名義を使っているようです。  ユーミンの名前を出さずとも、曲調だけで聴き手の心をつかめたことに、『これほど作家冥利に尽きることはない』と語っていたそうです。  『春色の汽車に乗って…』と歌い出される、これも『春』の季節感たっぷりの曲ですね💐

 「憧れのハワイ航路」 1948年(昭和23年)リリースの曲で、岡晴夫が明るく軽快に歌ってヒットしました。 戦後、昭和38年まではドル流出を防ぐために、ビジネス、視察、留学といった明確な目的なしでは海外旅行は許可されなかったそうです。 そんな頃に『未知のパラダイス』への憧れをかき立てた1曲になりました。

 「平城山(ならやま)」 北見志保子の短歌二首に、平井康三郎がクラシカルな曲を付けた歌曲です。 三十一文字で綴られた歌詞は難解な言葉も多いので、少し調べてみました。 『もとほり』は『回る・廻る』で、『巡る』という意味です。 「浜辺の歌」にも『夕べ浜辺を もとほれば…」と歌う歌詞があります。
 『越えしとふ』は『越えし(過去形)』に、上代語『といふ』が縮まった『とふ』が付いたもので、『…と云うこと』だそうです。
 参考までに、歌詞の意味を現代語で載せておきます。

  人を恋することは悲しいものだと
  平城山を巡りながら 辛く感じた

  昔の人も恋焦がれつつ超えたと云う
  平城山の道で 私は涙を落とした

 この和歌の題材になった磐之媛命(いわのひめのみこと)は、仁徳天皇など5代の天皇に仕えた忠臣・武内宿禰(たけのうちのすくね)の孫娘で、皇族外の身分から皇后となった初例とされているそうです。
 この武内宿禰は明治に発行された一円札に描かれていますが、このお札、現在でも1円として使用可能だと云うので驚きです(余談でした…σ^_^; )

 「春一番」 1976年リリースのキャンディーズのシングルで、『もうすぐ 春ですねえ…』と歌い上げるフレーズが印象的です。 先ほどの『東風』同様、『春一番』も春の訪れを教えてくれるその年初めての暖かく強い南寄りの風ですが、こちらは強風のため急激な気温変化や花粉飛散をもたらす、あまり有り難くない風のようです🌪️

 「踊り明かそう」 リクエスト者とMr.Mのリードで、日本語・英語の両方で歌いました。  原題「I Could Have Danced All Night (一晩中踊れたら)」は、ミュージカル『マイ・フェア・レディ』の挿入歌です。 ブロードウェイの舞台では、ジュリー・アンドリュースがヒロインのイライザを演じています。 
 1964年公開の映画は、イライザ役のオードリー・ヘプバーンの魅力で大ヒットしました。 魅惑的なポスター写真が有名ですね。 この映画の歌唱シーンの吹き替えはマーニ・ニクソンで、彼女は数々の著名な映画において吹き替えを担当しており、『最強のゴースト・シンガー』と言われています。
 主な吹き替え作品は 

  『紳士は金髪がお好き』(1953年) 
   ローレライ役のマリリン・モンローの歌う「ダイヤが一番」の
   高音域のみ吹き替え

  『王様と私』(1956年) 
   アンナ役のデボラ・カーの全曲吹き替え

  『ウエスト・サイド物語』(1961年) 
   マリア役のナタリー・ウッドの全曲吹き替え 


 「別れ」 ドイツ・シュヴァーベン地方の民謡で、原題は「Abscied」 ドイツ語歌詞の『Muss  ich  denn…』から『ムシデン』とも呼ばれています。 明るく軽快な曲調で『別れ』のイメージとは若干違う気もしますが、『別れてもまた逢える』という希望を託した歌になっています。 メロディは誰でも1度は耳にしたことあるのでは?

 「花の街」 「どじょっこ ふなっこ」 春の定番曲で、どちらも春の訪れを心から喜んでいる気持ちが溢れています。 「花の…」では『春よ 春よ…』のフレーズがはずむ気持ちを表していてとても素敵だと思います。 「どじょっこ…」では東北訛りの歌詞に素朴な味わいを感じられ、歌っていると楽しくなってきますね( ◠‿◠ )

 「恋」 1967年リリースの布施明のシングルです。 ロマンティックな曲を書いたのは平尾昌晃で、それまでも布施明とのコンビでヒットを飛ばしてきましたが、特にこの曲では作詞も担当しています。
 Mr.Mのリードも情熱的で、思わず『現在進行形で恋しているような熱唱でしたね(笑)』と揶揄(からか)ってしまいましたが、一言『しています。』とのこと(≧∇≦) いつまでも『恋心』を持ち続けることは、『若さ』を保つ秘訣かも💕

 当サロン人気の「帰れソレント」 スタッフリクエストの「ヴォラーレ」の2曲を大声量で歌って前半終了。  この日は俗に言う『ホワイト・デー』 お客様とスタッフからの差し入れが山盛りで、モグモグタイム突入ですo(^▽^)o

 今年は東日本大震災から15年の節目の年です。 けれど悲しみに節目はありません。 震災の記憶が風化してしまわないようにと、強く願わずにいられません。 そんな想いを込めて「花は咲く」を歌い後半リスタート。 

 リクエストは「さよならはダンスの後に」 1965年リリースの倍賞千恵子のヒット曲で、度々リクエストされる曲ですが、リクエスト者は1曲目は「踊り明かそう」だったので、この日はダンスの気分でいらしたのでしょうか? 『だれにも負けず 深く愛してた…』のサビのフレーズが気持ちの昂(たか)ぶりを感じさせる、大人の洒落た失恋ソングと言えるでしょう。

 「春の唄」 「想い出のソレンツァーラ」 「時の流れに身をまかせ」 「花のまわりで」の4曲を続けて歌いました。 「春の…」と「花の…」は、『春』をたっぷり感じさせる曲ですね🌸🌸🌸 「想い出の…」と「時の…」は、シャンソンと歌謡曲の違いはあれど、ムーディーな曲調に共通するものを感じます。

 『サムライジャパンを応援するために』とリクエストされたのは
タッチ」 B’zの稲葉浩志が、NetflixのWBC 2026大会応援ソングとして、岩崎良美の「タッチ」をロック調にカヴァーして歌いました。
 この曲、今までも度々リクエストされており、ほぼ全員スタンディングでノリノリで歌うのが定番になっていますので、この日も連覇への願いを込めて熱唱しました٩( ᐛ )و🎶 (この時はまさか決勝トーナメント初戦で敗退するとは思ってもいませんでしたが…😭)

 本日2曲目のキャンディーズ曲 「年下の男の子」 年下のボーイフレンドを年上の女性が、お姉さん目線で歌っています。 『あいつは あいつは 可愛い 年下の 男の子…』と何度も出てくるタイトルフレーズですが…  この歌詞の男の子は、可愛いと言えばそうなんですが、単に『子どもっぽい男の子』としてしか思えないのは、歳のせいでしょうか?(笑)    反対に大人の男性の包容力といったものも歳を重ねるに連れて増していく…  とも言えない気もしますがʕʘ‿ʘʔ

「受験生ブルース」 1968年リリース。 ずっと高石友也のオリジナルだと思っていましたが、元々は前年1967年に、後にボブ・ディランの訳詞で有名になる中川五郎が、受験の補習の授業中に『おいでみなさん聞いとくれ』と歌い始めたことから生まれたそうです。 元歌のメロディはマイナーで暗い感じだったみたいです。 それが中川も知らぬ間にタイトルも「受験生ブルース」と改題され、高石友也がカントリー&ウエスタン調の明るい曲にして、歌詞も半分くらい変えてリリースされたそうです。 明るい曲調なのに『ブルース』と付いているのは、そんな変遷があったからですね。 
 コミカルに受験生の生態を皮肉っている、10番まである長い曲ですが、途中で入る『ラジオ講座』のセリフは、Mr.Mが担ってくれました。 

 はしだのりひこ とシューベルツ「風」 水前寺清子「三百六十五歩のマーチ」 昭和の名曲を2曲続けて歌いました。 奇しくもどちらも昭和44年にリリースされていて、全く曲調が違う両曲に当時の世相が見え隠れする思いがします。 『東大安田講堂事件』など学生運動が激化した反面、GNPが世界第2位となるなど高度経済成長も著しく、翌年に控えた『大阪万博』への期待感も高まっていた頃でした。 アポロ11号が月面着陸に成功したのもこの年でした🚀

 「かなわぬ恋」 ドイツ・バーデン地方の民謡で、失恋の歌なのですが、期待と失望を交互にユーモラスに歌っています。 明るく陽気な曲調で、合間に『Hollahi;  Hollaho…』の掛け声が入っています。
 この合いの手のような掛け声は歌のリズムや感情を盛り上げる大切な要素で、大勢で歌う場合は一体感を促進するので、まさに『歌声』にぴったりの1曲です。

 狩人「あずさ2号」 久しぶりのリクエストでした。 1977年にリリースされた曲で、特急『あずさ』での旅行は大ブームとなったそうですが、関東圏から長野方面にいく列車の歌だったので、そもそも中部や関西方面では『あずさ2号』という列車の存在すら知られていなかったようです。 この曲が出た翌年1978年のダイヤ改正で『午前8時新宿発のあずさ2号』は無くなり、2020年には『あずさ2号』の列車名も姿を消したそうです。 この曲自体は独特な曲調、歌唱スタイルと共に、これからも長く歌い継がれていくでしょう🚃

 「美わし春の花よ」 「コザックの子守唄」 ロシア民謡を2曲歌ってリクエスト終了です。 「美わし…」は『美わし春の花よ さらに美わし君…』と歌い、春の花々、新緑の庭、青い空 など、心がはずむ言葉で綴られていて、明るく陽気に歌われます。 最後に軽く『エイ』の掛け声も、よりいっそう嬉しい気分にさせてくれます。
 「コザック…」は度々リクエストされますが、ゆったりとした旋律が、穏やかな眠りに誘う美しい曲です。 日本語歌詞を書いている津川主一は日本基督教団の牧師であり、教会音楽家でもあるので、この詩もどことなく賛美歌のような感性を漂わせています。

 この日ラストソングには「仰げば尊し」を歌いました。 昭和世代の私たちにとってはこれぞ『ザ・卒業ソング』 歌詞が自然と出てくるのでしょう。 ほとんどの人が歌集も見ずに、一生懸命歌っていらっしゃいました。 お一人お一人が卒業の思い出に浸っているような… そんなお顔に見えました(^o^) この季節にしかなかなか歌えませんが、だからこそ年に一度は歌っておきたい曲です。

私ごとですが、先日、高校3年時の担任の先生の訃報を受けました。 昨年からご闘病中でした。 クラスメート有志で贈ったエールの色紙をとても喜んでくださり、当初の余命を3倍近く伸ばして頑張られました。 その先生が卒業式の日に、はなむけとして贈ってくださった言葉が、『同窓会に出られる人になりなさい』でした。 その時は何気なく聞いた言葉ですが、決して『出世して偉くなれ』と云う意味ではなかったでしょう。 いつもニコニコと優しい笑顔、快活な話しぶりで魅力的な先生を囲んで、同窓会のみならずクラス会もよく開かれました。 今、この歳になって先生の言葉の意味を改めて考えてみると、『真っ当な人でいなさい。』ではなかったかと、勝手に思っています。
 卒業ソングを歌いながら、亡き恩師を偲びました(^-^)

 次回は3月28日。 桜の季節に、桜ソングを歌いましょう🌸🌸🌸
 もちろんいつもの様に、様々なジャンルの歌も楽しみましょう
♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪     予報ではとても暖かくなるようです。
 皆さまのお越しを心よりお待ちしています( ◠‿◠ )


                                                    神田陽子



 
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