2026年8月8日土曜日
土曜夜の歌声サロンラウム~ 26年7月25日のご報告~ 神田陽子

  灼熱地獄の日本列島🥵 そんな酷暑の中、暑さにも負けず歌いにいらしてくださった皆さんで土曜歌声は賑わいました╰(*´︶`*)╯


 ファーストソングには、これまで一度もリクエストされなかった(と思われる)曲、「さとうきび畑」を選びました。 たぶんその長さのせいでリクエストを遠慮されてきたのでは?  8月は『鎮魂・慰霊の月』で、毎年多くの反戦歌が出されます。 この曲は作曲家の寺島尚彦が本土復帰前の沖縄を訪問した際、摩文仁の丘で着想を得て自ら作詞も手掛けた反戦歌です。 日本で唯一の地上戦にさらされた沖縄で、命を落とした戦死者・戦没者・集団自決者の御霊の声なき声を、さとうきびが夏のそよ風に揺られて『ざわわ ざわわ ざわわ』と鳴る音に擬(なぞら)えて歌われています。 父を失った少女の想いが、『夏の陽ざしの中で』切なく悲しく流れ心を打ちます。 
 全11編の長尺の曲ですが、525歌集にはほぼ全編収録されています。 ただ『父の声をさがしながら たどる畑の道』のあとのフレーズ『お父さんて呼んでみたい お父さんどこにいるの…』だけがカットされています。 このフレーズに少女の気持ちが集約されているように思われますので、もし今後リクエストがあればこのフレーズも入れて歌いたいと思います。

 リクエストはこれも珍しい1曲で、千葉紘子の「折鶴」 元は1972年リリースの、小柳ルミ子のアルバム『京のにわか雨 はるかなるこころのふるさと』の中の収録曲でした。 同年千葉紘子のカヴァーでヒットし、以後彼女の曲として認知されてきました。 歌謡曲の王道のような曲調ですが、サビの『「わたしは待っています」と伝えて…』のフレーズに、当時このような『待つ女』の曲が多く作られた背景が窺えます。

 ザ・ブロードサイド・フォー「若者たち」 黛ジュン「天使の誘惑」の昭和の名曲2曲を続けて歌いました。 1966年と1968年のほぼ同時期の曲ですが、この頃の歌は長いスパンで流行っていたせいか、いつまでも鮮やかに心の奥に残っていますね( ◠‿◠ )

 「エルベ河」 『第二次世界大戦の時に、アメリカの兵士とソ連の兵士がこの河で出会った歌です…』とは、博識のリクエスト者のお言葉。 その通り、ナチス・ドイツの制圧を目指して進軍してきたソ連軍とアメリカ軍は、1945年4月25日(奇しくも私の誕生日)、エルベ河畔の街トルガウで出会い、両軍の兵士たちは夜更けまで祝杯をあげて祝ったそうです。 この時の様子を描いた『エルベ河の邂逅(かいこう)』という映画も作られていてこの曲が使われています。

 「山のロザリア」 よく知られているロシア民謡で、郷愁を誘うような曲調が日本人の感性に合っていると思います。 原曲は19世紀のロシアの舞踏曲「アレクサンドロフスキー」で、のちにはフォークダンス曲としても親しまれたようです。
 日本では、丘灯至夫の詞、織井茂子の歌唱で「牧場のロザリア」として発表されましたがあまりヒットせず、その後作者不詳の「山のロザリア」が歌声喫茶などで歌われて評判になり、レコード化される頃に「牧場の…」と「山の…」が同一曲であると判明したそうで、スリー・グレイセスと井上ひろしが競作でレコードを発売し大ヒットしたと云ういきさつがあるみたいです。

 「愛燦燦」 一年を通してよくリクエストされる人気曲です。 小椋佳の名曲を女王美空ひばりが見事にその人生観を表現し、その後多くのアーティストに歌われてきました。 小椋佳のワードセンスは本当に素晴らしいのですが、この曲にも『さすが!』と舌を巻く表現がいくつかあります。 その中で私が以前から不思議に思いつつも心惹かれるフレーズ 『ああ 過去達は 優しく睫毛に憩う』の解釈がいまひとつしっくりきていなかったのです。 ところが、先日ある番組でこの歌詞を次のように解釈している素人の方がいました。  『過去達というのは、過去の思い出のことで、その思い出を振り返ると涙することもあり、その涙が睫毛にたまる様を『優しく睫毛に憩う』と表現しているのではないか…』と。 『なるほど!』と、ストンと納得できた瞬間でした。 小椋佳自身はこのフレーズを、『目を閉じた時に思い出がまぶたの裏に優しく浮かび上がり、ちらついた様を表現した』と説明していますが、私はこの素人の方の解釈に強く共感してしまいました(๑˃̵ᴗ˂̵)

 シャンソン「ラ・メール」 フランス語で『海』を意味する曲です。 作詞・作曲のシャルル・トレネはこの曲の原型を16歳の時に作ったと言われ、夏の海辺を爽やかに謳ったこのナンバーは世界中で大ヒットし、数多くのアーティストにカヴァーされています。 日本でも人気の高い曲で、シャンソン歌手や宝塚歌劇団のレビューや公演のショーなどでもよく歌われています。 途中で転調するメロディラインもお洒落で気分をを上げてくれる1曲です。

 「京都慕情」 ザ・ベンチャーズの『京都シリーズ』第2弾で、インストゥルメンタルの曲に日本語の歌詞を付けて渚ゆう子がカヴァー、
京都の恋』に続いてヒットさせました。 外国人でここまで日本情緒を表せる感性が素敵で、彼らの日本愛を感じます。 夏の京都は暑いけれど、『川床』など風情のある趣きもあるので、京都へ行ってみたくなる気持ちにさせる曲ですね。

 「ヒロシマ」 これを書いている今日(8月6日)は、81回目の広島の原爆忌です。 当時を知る『語り部』と呼ばれる方々も高齢になり、それでも声を振り絞って自らの体験を語る女性がテレビに出ていました。 直に被曝体験を聞ける機会はどんどん減っていくでしょう。 いずれ戦争を知らない世代ばかりになることも避けられません。 
 フランスのシンガー・ソングライター ジョルジュ・ムスタキが、日本人の心に寄り添う優しい曲調のこの曲を発表したのは1972年でした。 穏やかに語りかけるように歌われていますが、反戦への強いメッセージは静かにけれど確実に心に届きます。 原語では、『彼女(Elle)は明日やってくるだろう。』とあり、その彼女とは『La Paix(平和)』のことだと最後に明かされます。 日本語の歌詞はヒロコ・ムトー氏。 メロディによくマッチして、広島の哀しみが胸に沁みますが、最後のフレーズ『いつか遠くなる 遠くヒロシマが…』に、この悲劇が忘れ去られることへの危惧が窺えます。

 「ひまわり娘」 伊藤咲子が満面の笑みで歌った、底抜けに明るいこの曲で、気分もアゲアゲ⤴️⤴️⤴️    『涙なんか知らない いつでもほほえみを…』元気の素になるようなこのシンプルなフレーズを含む歌詞を書いたのは、阿久悠。 弾むようなメロディの作曲はイスラエル人のシュキ・レヴィ。 人生の応援歌にも相応しいこの曲は、日本生命やひまわり生命のCMソングになったり、他にもいくつかの番組やゲームのBGMに使われています🌻🌻🌻

 Mr.Mによる、洋楽歌集100からのこの日の紹介曲は『夏だからこれしかないでしょ…』と、ジョージ・ガーシュウィン作曲の「Summer Time」 1935年のオペラ『ポーギーとベス』のアリアで、作詞は デュボーズ・ヘイワーズとアイラ・ガーシュウィン(ジョージの兄)が担っています。 
 ガーシュウィンはジャズとクラシックを融合させた「Rhapsody in Blue 」でその名を知らしめていますが、この「Summer Time 」でも、アフリカ系アメリカ人の民族音楽をもとに、彼独自の音楽を作ろうと試みました。 オペラの第一幕冒頭で、生まれたばかりの赤ん坊にクララが歌うブルース調の子守唄ですが、その後数えきれないほどカヴァーされ、1936年にビリー・ホリデイが歌ったバージョンが大ヒットし、ジャズのスタンダードになりました。
 サックス奏者 ジョン・コルトレーンは長崎での公演の最後にこの曲を演奏して、被爆地 長崎を追悼する想いを寄せたそうです。

ここで前半終了。 この日もたくさんの差し入れを頂きながら、しばし歓談の時を(*^o^*)

 後半は、100歌集の私の担当曲「Close to You 」を紹介させて頂きリスタート。 1970年リリースのカーペンターズ版が有名で、おそらく(私を初め)多くの人はカーペンターズのオリジナルだと思っていたのではないでしょうか?  バート・バカラックとハル・デイヴィッドが作ったこの曲を最初にレコーディングしたのは リチャード・チェンバレンで、その後、ディオンヌ・ワーウィック、ダスティン・スプリングフィールド、そしてバート・バカラック本人も吹き込んでいます。 カーペンターズでヒットする前にこんなにも有名アーティストたちに歌われていたのですね。
 『They long to be close to you…(彼女たちはあなたのそばにいたいと願っている)』ざっくり言えばそんな内容のラブ・ソングですが、邦題は「遥かなる影

 リクエストは、100歌集から「 Moon River 」 ヘンリー・マンシーニ作曲のあまりにも美しいこの曲は、オードリー・ヘプバーン主演の映画『ティファニーで朝食を』の劇中でオードリー自身が歌ったことで一躍有名になり、その後多くの歌手がカヴァーし、特にアンディ・ウィリアムスのバージョンが大ヒットしました。 けれど、マンシーニは『この曲はオードリーあってのもので、オードリーの「Moon River」こそが最高だ。』と書き記しています。

 石橋正次「夜明けの停車場」 オペラ『ホフマン物語』の「ホフマンの舟唄」 カーペンターズ「Sing」 吉田拓郎「夏休み」 梓みちよ「二人でお酒を」 サーカス「アメリカン・フィーリング」 海原千里・万理「大阪ラプソディー」 堺正章「街の灯り」 高田みずえ「私はピアノ」の9曲を続けて歌いました。
 「夜明けの…」は 1972年のヒットですが、歌謡曲のテイストが存分に溢れている1曲です。 ラストのフレーズ『君には罪はない 罪はないんだよ…』が印象的で、男の優しさを感じます。
 「ホフマンの舟唄」は、ジャック・オッフェンバックの作曲で、本来二重唱の楽曲です。 歌うのは難しいのですが、とても美しい楽曲です。 オッフェンバックは、運動会の徒競走のBGMでお馴染みの「天国と地獄」の作曲者でもあります。 
 「Sing」は、もともとテレビ番組『セサミストリート』の挿入歌として発表されましたが、カーペンターズは子どもたちがこの歌を歌うのを聴いた後、自分たちが歌う時には児童合唱団をバックコーラスに付けるのが常で、1974年の日本ツアーでは、地元の児童合唱団と共に日本語で歌いました。 
 『Don’t worry that it’s not good enough for anyone else to hear…(他の誰かに聴かせるほど上手くない、なんてことは気にしないで…』『Just sing, sing a song…(ただ歌を歌おう…)』 何だか歌声サロンの真髄みたいですね♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪
 近頃人気の「夏休み」 やはり夏になると楽しかった(宿題には苦しめられた💦)『夏休み』が思い出されますね🍉  「二人で…」は、梓みちよが清純派のイメージを払拭し、大人の女性へと転身するきっかけとなった曲ですが、彼女の歌の上手さには定評があり、その後「メランコリー」のヒットへと続くのでした。
 「アメリカン…」はシティ・ポップスのジャンルですが、洒落た雰囲気の曲調はジャルパックの『COME TO AMERICA ‘79』のキャンペーンソングにぴったりでした。 
  「大阪…」「街の…」「私は…」の3曲も度々リクエストされますが、どれも昭和の名曲と言って良いでしょう。 歌っていると、これらの曲が流れていた当時が思い出されますね( ◠‿◠ )

 Mr.Mの紹介曲は、先ほどの「Summer Time」と絡めて、サーカスの「Mr.サマー・タイム」 カネボウ 『‘78夏キャンペーン』CMソングとして起用された曲ですが、原曲はフランスのシンガーソングライター ミッシェル・フュガンが率いたグループ『ミッシェル・フュガン&ビッグ・バザール』が1972年に発表した『Une belle histoire (愛の歴史)』です。 日本語の歌詞を竜真知子が書き、編曲は前田憲男が手掛けて、ひと夏の過ちと後悔を描いた切ない想いを、洗練された美しいハーモニーで聴かせます。 

 ラストソングは「およげ! たいやきくん」 1匹のたい焼きが逃げ出して海を冒険していく、と云うシュールでコミカルなストーリーを元気に歌ってお開きとなりました🐟

 次回は令和8年8月8日。『8』のゾロ目の何とも縁起の良さそうな日です( ◠‿◠ ) 猛暑はまだまだ続いていますが、夏バテ回復の心意気で歌いにいらして頂ければ嬉しいです٩( ᐛ )و
  けれど、決して無理はなさらず、ご体調と相談の上でご参加ください(*^_^*) 

                                                         神田陽子



 
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