2017年2月14日火曜日
「富士の山」 ”歌のこころ” 清水富美子著より

 この歌は、明治43年発刊の、「尋常小学校読本唱歌」に掲載、
長年作詞者不詳とありましたが、近年になり、巌谷小波(イワヤサザナミ)
と判明しました。彼は、明治における児童文学作家として、
「日本昔噺」等を残しています。
 一番で”四方の山を見下ろして かみなりさまを下にきく”
と、雄大な男性像を表し、二番では”体に雪の着物着て かすみの
裾をとおくひく”と、女性らしい優雅さも表していて、硬軟併せ持つ、
”富士山”の姿を謳っています。
作曲者は不明ですが、旋律は、日本独特の五音音階から脱却、
「フア」と「シ」も使う、いわゆる西洋の七音長音階で作曲されています。
でも、どことなく日本的な情緒にあふれ、簡素ながら雄大な、
「富士山」を、とても良く表現した名曲と思います。
歌詞のアクセントにも配慮し、”富士山は日本一の山…”のフレーズ
は、「富士山」さながら、気持ちよく盛り上がりますね。
 2007年には、「日本の歌百選」にも選ばれています。
 2013年7月には日本の長年の悲願であった、富士山の”世界文化遺産”
登録が実現しました。日本の富士山から世界の富士山へ!!



 
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